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「届いてるよ‼︎
勇者に届いておるよ‼︎
なぜ!?
何故だ??
そもそも書いた記憶が我にない!!
いや、途中までは覚えているが、あーだこーだ悩みながら完成はさせていなかった筈だ。
それがどうして!??」
「おまけに、少しご立腹にさせちゃってますねー。」
「言うな!
そもそもその辺りは書かないことに決めていた筈だ!
貴様も一緒にいたから覚えているだろう‼︎」
「そうですねー。
確かに、変な嫌がらせはしないって方向に決めていましたもんねー。」
「そうだ。
それが何故?何故だ??
というかだ、何故森の中にいるであろう奴に手紙が届いているんだ!?
意味が分からぬ‼︎」
「惹かれ合う存在ですからねー。」
「納得がいくかー!!」
ここは魔王城。
魔のものと呼ばれる全て、その頂点に君臨する王の居城。
それは気高く
それは格式高く
畏怖と尊敬を一身に集め、讃えられるその名こそかの者の名。
悠然と知れ渡るその者は、今日も孤高に吠え叫ぶ。
全ての怨嗟をそこに込め。