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拝啓 魔王様  作者: 白猫
一部
5/19

5



「して、手紙を書くと言っても一体何を書けば良いのやら。」


 「お返事と言っているので、まおうさまの近況でもお伝えしたら良いのではないですか?

  もしくはゆうしゃが気になっているスライムについてとか。」


「ふむ。

 森林部ということはストーンスライムやウッドスライムなどがおるか。

 いっその事、ゴツゴツしたストーンスライムの肌触りが心地よいものとでも書いてやろうか。」


 「別に止めは致しませんが、それで恨みを買うのはまおうさまですよ?」


「それは困るな。

 いや、勇者に嫌がらせをすることは良いが、より一層恐ろしい手紙が届くとしか思えぬ。

 どうにか奴にダメージを与えるような内容を。

 その上こちらへの被害が少なくなるような・・・」


 「そんな欲張りなことは無理じゃないですかねー。

  素直に近況報告で良いと思いますが。」


「魔王がそんな生温いことできるものか。」


 「ゆうしゃにビビってる時点でどうかと。」



ここは魔王城。

選ばれし精鋭・幹部ひしめく、魔王の最終決戦地。


その最奥たる謁見の間にて、魔王と魔物の相談は続く。


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