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「怖い‼︎怖いよこの勇者‼︎
ナチュラルにやばい奴だよ‼︎
ビビるんじゃなくて、引いちゃう奴だよ‼︎
はぁー。
しかもガッツリ狙われてるしぃー。
何故か手紙は届くしぃー。
我、なんぞ恨みでも買ったのか?」
「そりゃあまおうさまですからねー。
ゆうしゃからしたら、最も倒すべき存在ですし。」
ため息を吐きながらぶつくさ文句を言う魔王と、それを切って捨てる魔物。
勇者からの手紙は、魔王へと確実なダメージを蓄積しつつある。
「これはどうしたら良いんだ?
というか、どうやって手紙は届いているのだ?
ここ、魔王の城ぞ?
我の居城ぞ?
一応最果てとか呼ばれる場所ぞ?」
「うーん。
朝起きたら、お城の前に置かれてましたよー?」
「それがおかしいのだろ。
一体誰が運んできておるのだ。
少なからず、ここに辿り着く為には我が部下達の警戒網を突破しておるのだぞ?」
「そうは言われましても、実際届いてしまってますからねー。
いっそのこと、返事を書いてみたら良いんじゃないですか?
ゆうしゃも望んでいるようですし。」
「何と返事を書くというのだ。
というか、そもそも届く訳がないだろう。
こちらは一応同じ場所にはおるが、奴はどこぞ知らぬ国の、知らぬ土地を彷徨っておるのだぞ?」
「そうですねー。
とはいえ、このまま放っておいても手紙が届き続ける未来しか見えませんよ?」
「うーむ。
それはそうなんだがの。」
「まおうさまから返事が来ないことにゆうしゃが腹を立て、その怒りを手紙に書き連ねて送る。
その内手紙だけでなくゆうしゃ自身もこの城に辿り着いて、気がつけばまおうさまの洗っていた首がバッサリと・・・。」
「怖いをことを言うでない!
それに首なんぞ洗っておらぬわ!!」
「えっ、まおうさまそれは不潔ですよ。」
「首は洗っておるわ‼︎
言葉の綾じゃ!!」