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「まおうさま!まおうさま〜!!」
「なんだ騒々しい‼︎この私を魔王と知っての狼藉か!」
「まおうさま、そんなこと言ってる場合じゃありません。手紙が届いたんですー!」
「手紙?ほぉ、この私に手紙か。
なんだ、ファンレターか?
それとも、嫁入りの希望か?
なんであったとしても、この私、魔王に相応しいことよな!」
調子よく高笑う魔王と、何とも言えぬ顔をする部下らしき魔物
「まおうさま、起きてる時に夢なんて見ないでください。
それよりも早く手紙を読んでくださいよ〜」
「なんだ、先程より喧しいな。
仕方ないから読んでやるとしよう。
して、誰からの手紙だ?」
「えっとぉ、ゆうしゃからの手紙ですね〜」
「ふむ、勇者からとな。
この世界広しと言えど、勇者から手紙を貰えるものなど、我ぐらいよの!」
「はぁ、そりゃ宿敵ですからね〜」
「そうだろうそうだろう!
なんせこのわたし・・・
ゆうしゃあああぁぁぁ!???」
「まおうさまうるさいです。」
「えっ!えっ!?
なんで?なんで勇者から手紙!??
どうやってここ知ったの??
ここって手紙届くの??
というか手紙って何だよ!!?」
叫ぶ魔王と、呆れた魔物。
宣戦布告と読める手紙を手に、彼らは今しばらく混乱を治められないのだろう。