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SevenGifters(セブンギフターズ)  作者: 水無月 十
3/3

第1章(3)

「はっ…?」


実は直美と顔を見合わせた。


「能力っていうのはその〜…」


「ナオミンたちも持っているんでしょ?不思議な力!」


どうやら聞き間違いでも、言葉違いでもないらしい。


「ここに書いてあったよ!」


そういい手紙を差し出してきた。


「またこの手紙だ。」


実と直美が中身を確認するとそこには主語が変わっただけで直美の時とほとんど同じ内容が書かれていた。


「実さんこれは〜…」


実は頷く。


「とりあえず2人も家に入って話しましょうか。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

実宅 リビング


「まさか一日に2度もここで話すとは思いませんでしたね〜。しかも人数が増えるとは〜。」


ダイニングテーブルを4人で囲んでいる状況は何年ぶりだろうかと実は思っていた。


実の横には直美が座り、その対面に姉妹が座っているという状況だった。


「じゃあ私たちから自己紹介するね!私の名前は双絵 出子(ふたえ でこ)!でこちゃんって呼んでね!こっちはお姉ちゃんの双絵 入乃(ふたえ いりの)!いりのちゃんって呼んでね!」


「い、入乃と呼び捨てで大丈夫です。」


「入乃さんと出子さんですね〜。よろしくお願いします〜。」


「もぉー、ナオミン!呼び方違うって〜。」


「あら〜では出子さんだけはでこちゃんと呼びますね〜。」


「それならオッケーだよ!」


満面の笑みでグットサインを出す出子。見た目や仕草から小学生ぐらいのようにすら見える。


「私たちは双子だから同い年で17歳だよ!」


まさかの一つ年上で驚く実。


「私たちの能力はえっとねー、なんて言ったらいいんだろう?お姉ちゃんにパス!」


「ちょ、ちょっとデコちゃん急にそんな私に振られても…」


「うーんじゃあ見て見てよ!やってみせるから。」


出子は入乃の方を指さした。


入乃はオドオドしながらスマホを取り出しテーブルの上に置いた。画面をつけるとそこには真っ白な壁紙と18時53分という時刻などが映っていた。そのスマホに入乃がそっと手を伸ばす。すると入乃の手はみるみる()()()()()()()()()()。数秒後には入乃の姿はさっきまでいた場所からは消え完全に画面の中に入っていた。


「嘘だろっ…」


実がスマホの画面を覗くと入乃はそこにいてこちらに手を振っている。身体のサイズは時刻の数字とほぼ同じぐらいになっていた。すると入乃は数字の方に移動し、5の上に座ってみせた。さらに入乃は向いている方向を180度変え両手でスライドするような仕草をする。すると画面はパスコードを入力してくださいという画面になり、数秒後に遅れて入乃がその画面にやってきた。


「何が起きてんだ…」


実は驚きすぎて声が漏れてしまう。


入乃はさらに移動し順番に数字を叩き始め4桁のパスワードを入力し、ホーム画面に変えてしまった。今度はこちらの方に向き直しお辞儀をした。


「あっ出てくるみたいだから下がっててね!」


出子はスマホを床の上に置き離れた。すると今度は勢いよく入乃が画面から飛び出してきた。


「ふぅ、今回は大丈夫でした。」


入乃は何やら安堵しているようだった。


「お姉ちゃんは前にこうやって飛び出てきた時スマホの画面踏んで割っちゃたんだ!」


「なるほど〜。じゃなくて、今のは一体どうゆうことですか〜?」


「まぁまぁ、ちょっと待っててよ〜ナオミン!次は私の番だよ!」


そう言うと今度は出子がスマホをポケットから取り出した。画面を覗くとリンゴの写真が映っていた。


「みのるんこっち来て!」


言われるがままに近づくと出子は両手で何かを掬うような形にするように指示した。その上に画面を下に向けたスマホをかざし背面を叩いた。すると手の上にりんごが落ちてきた。


「すごいでしょ!」


出子はドヤ顔でスマホの画面を2人に見せた。そこには先ほどまで映っていたりんごはなかった。


「ちなみに食べれるよ!味も美味しいよ!」


食べるよう促され、実は渋々かじった。


「普通のりんごだ。」


「でしょ!じゃあそろそろしまうね〜。」


握っているりんごの上に再びスマホをかざし、ゆっくり押し当てた。先程の入乃の時と同様にゆっくりりんごは画面に吸い込まれていく。完全にりんごが手から消えたところで画面を見るとそこにはかじりかけのりんごが映っていた。


「他にも色々あるけどとりあえず私たちの能力はこんな感じだよ!」


実と直美は立ち尽くしていた。


「驚きすぎて言葉が出てきませんね〜。」


「どうなってるんだこれ…」


実はテーブルに置かれたスマホをツンツンしたりしていた。


「みのるんがいくら触っても何も起きないよ!正真正銘私たちの能力!」


諦めたのか実はスマホを置き椅子に座り直した。


「えっと次は私の番ですかね〜?口頭での説明だけですけど〜」


直美は実に説明した時と同じように能力について2人に説明した。


「すごいね!ナオミンの能力!ね!お姉ちゃん?」


入乃はコクコクと頷く。


「じゃあ次は実さんの番ですね〜。そういえば私もまだ聞いてなかったですし〜。」


「そういえばそうでしたね。えっと…簡単に言うと俺の能力は想像した物を現実にする能力です。」


椅子から立ち上がり少しスペースのあるところに移動した。


「例えば…」


実は何もないところに座ろうとする。すると次の瞬間先ほどまで座っていた椅子と似た椅子が出現し、そこに座った。


実以外の3人は何が起きたか理解できず先ほどまで座っていた椅子と今座っている椅子を何度も見返している。


「どっちも現物です。俺以外でも触れますし、座れます。消すこともできます。」


再び立ち上がるとそこにはもう椅子はなかった。


「この能力はなんでも作れるわけではなくて俺が知っている物しか作れないです。他にわかっていることと言えば自分より遥かに大きなものだったり生物は作り出せないです。」


「みのるん食べ物は?」


「作れるよ。」


りんご一つを出子に投げた。出子はそれをキャッチしかじった。


「すごい!味も本物みたいだね!」


「みたいというか本物だからね。コピーとかではなく新しくできた本物。」


「実さんのこの能力はまるで神様みたいな能力ですね〜。」


0から1を作り出す能力。直美のいうことはあながち間違っていないのかもしれない。


「み、みなさんの目的ていうのはなんでしょうか?それだけの能力を持っていたら叶えられそうな気がするのですが…」


入乃の疑問を聞き実と直美はお互いの顔を見て頷き合った。


「能力の話はこれくらいにして本題に入りましょうか〜。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…っていう状態なんですよね〜。」


実と直美の抱えている問題を話し、直美が直面した現象についても話した。


「す、すごい話ですね。」


入乃は話を理解したようだったが出子は明らかに途中から聞いていなかった。


「私たちに何か手伝えることはあるのでしょうか?」


「私のは人手があった方がいいと思うのでありがたいですが、実さんの方は…」


実の方をチラッと見る。


「俺のは一旦保留にしておきましょう。とりあえずは直美さんの方優先で。それで2人の目的は何ですか?」


先ほどまで話を聞かず部屋を物色して回っていた。出子が急にこっちを向き喋り出した。


「私たちはね、友達を作りたいんだよ!」


「友達を作る?それだけなのか?」


実や直美の目的に比べて平凡なものであったため実は素っ頓狂な声を出してしまう。


「私たちはこの能力のせいで友達を作ろうとは思えませんでした。別に人に迷惑をかけるようなものではないのですが、バレたら大変だなと思っていましたので。」


「私も同じでしたよ〜。特に私は療治院家の人間だったので余計に腫れ物扱いでしたね〜。」


「俺もそうだった。他人とは必要最低限の会話以外はしてきてなかったかな。だから俺も友達ができるのは嬉しいよ。でも、こういうのはなろうと言ってなるものなのか?」


出子は机をバンッと叩いた。


「いいんだよ!難しいことは!私たちは今から友達になったんだよ!」


実はあまりの勢いに圧倒されてしまう。


「そうですね〜。それに実さんと私はすでに友達になっているものだと思ってましたよ〜?いつからかタメ口になってましたし〜。」


直美はイタズラっぽい表情で実を見た。


「あっ、ほんとですか?いやそれは気づきませんでした。ホント流れでなったというかなんというかすいm…」


「ふふっ、いいんですよ〜。友達なんですから〜。」


今度はニコッとした笑みで実を見つめる。


「…..っつ、ならいいですけど。じゃあ改めて直美、入乃、出子、よろしく。」


「いきなり呼び捨てですか〜?」


「だから〜出子ちゃんだって〜。」


「よ、よろしくお願いします。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

同時刻 療治院総合病院前


「結局遅くなってしまった。それにしても直美さんと実くんが知り合いだったとは。世間も狭いもんだな。」


癒川は大きく背伸びをし独り言を言った。


コンニチハ(こんにちは)ユカワセンセイ(癒川先生)オトナシク(大人しく)シテクダサイ(してください)ワルイヨウニハ(悪いようには)シマセンカラ(しませんから)。」


突如後ろから顔を覆われた。


「だ、誰だ!?目的はなん….だ….」


癒川は意識を失いどこかへと連れ去られてしまった。


キャラクター紹介


想川 実 (おいかわ みのる)

男 17歳 1月1日生まれ 7年間意識不明の妹がいる。

想像したものを実現させる能力(生き物や自分より大きな物は不可能)。


想川 現 (おいかわ あらた)

男 実と空の父 7年前に失踪。


想川 空 (おいかわ そら)

女 10歳 7月7日生まれ 実の妹。7年間目覚めない。


療治院 直美 (りょうじいん なおみ)

女 18歳 6月6日生まれ 156cm 療治院家の跡取り娘。

ありとあらゆる怪我病気を治せる能力。見た人物の寿命がわかる。


療治院 恵 (りょうじいん めぐみ)

直美の父。7年前から行方不明。


双絵 入乃 (ふたえ いりの)

女 17歳 2月2日生まれ 双子の妹がいる。

絵や写真、映像に現実のモノ入れることができる能力。


双絵 出子 (ふたえ でこ)

女 17歳 2月2日生まれ 入乃の妹 

絵や写真、映像の中のモノを現実に持ってこれる能力。


癒川由埜 (ゆかわ ゆの)

直美の婚約者。


???

直美の前に現れた何か。

  



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