【Prologue】ハジマリのシンカイ
はじめまして。こつこつ書こうと思います。よろしくお願いします。
何がいけなかったのかという言葉が頭の中で反芻される。約束は守れなかった。どうすることもできなかった。助かる道は、救える道はこれしかないはずだ。
だったら迷うことはない。
愚かな男はまた道を引き返した。
「・・・世界転移」
次こそは、きっと。
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俺は今、とてつもなく不思議な現象に巻き込まれている。
目を覚ますと、和室だった。俺の実家はマンションだから、少なからず家ではない。だったらどこだ?友達の家でもない。
そんなことよりこの人は誰だ。
目の前のガタイの良い男は俺と同じく驚いた表情をしている。
・・・もしかして不法侵入やっちゃった?
冷や汗が出るが、そこで急に冷静になった。
俺は死んだんだった。だからここにいるはずがない。
でも、いる。
思考していても拉致が開かないので、諦めて横になった。
ふと目の前の男を見る。慌てている男は、和装にゴーグルというよくわからないセンスの衣装を纏い、なかなかデカい。
いや、待てよ。ここで思考を一度戻す。俺がもし、まだ生きているなら?これはまだ続いているかもしれない。アイツは逃れているのかもしれない。そんな可能性が頭をよぎり、飛び起きる。
「あんた、逃げた方がいい。信じちゃくれねえかもしれないが、非科学的なバケモノが周りに潜んでいるかもしれん。」
言い終わる前に俺は構えた。1人では何ができるわけでもないが、目の前の無関係の男を逃すことぐらいはできよう。
しかし、目の前の男は逃げない。
それに男はめんどくさそうに溜息を吐いた。
「安心しろ。ここにそんなのは来ない。」
男はまるで何かを知っているように言った。
俺は警戒心丸出しで、後退して距離を取った。
「あんた何者だ?」
その質問に、フッと微笑を挟んでから男は腕を組み、足を肩幅に広げ、元気溌剌にこう宣言した。
「神だ!」
読んでくれてありがとうございました。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。