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恋するバレンタイン・キック  作者: 三ツ星真言
7/50

バレンタインデーの真実

「西暦3世紀のローマ帝国。当時のローマ皇帝クラウディウス二世は

 家族との別れを惜しむ兵士が戦地に行きたがらないことに困っていた。

 悩みに悩んだ皇帝は、兵士へ結婚、婚約の禁止令を出す。

 酷い話だと、思わない。

 しかし、兵士たちは禁止令が出された後、こっそりと婚礼を挙げるように

なる。その婚礼の手続きを行ったのがバレンタインという人なんだね。

 秘密に行われていた婚礼だったんだけど、このことが皇帝にバレて、

バレンタインは処刑されてしまうんだけど、当時ローマではキリスト

教徒が迫害されていたため、バレンタインはローマ宗教への改宗を

迫られたんだよね。

 しかし、それを拒否し、その後も愛の大切さを説き、愛のために祈りを

ささげたバレンタインは、ついに2月14日に処刑されてしまった。

 そもそもローマでは2月14日は結婚と家庭の神であるユノの祝日。

 そして、その翌日の2月15日にはルペルカリアという豊作と子孫繁栄を

祈るお祭りが行われていた。

 このお祭りでは、男性が壺の中から未婚の女性の名前の書いてある札を

選び、クジでカップルを決めるという風習があったんだけど、風紀的に

問題だと考えた皇帝がこのお祭りを廃止して、殉教したキリスト聖人を

祀る日にした。

 そう、この時に選ばれたのが、兵士たちの結婚のために自らの命を

犠牲にしたバレンタインだったんだね。 

 その後、2月14日は男女が愛を誓いあう日となり、恋人にメッセージカードや

花束を贈るようになったわけ。

 バレンタインデーは、日本で省略された呼び方で、正式には英語で

Saint valentine’s dayといい「聖バレンタインデー」と訳される。

確かに、君から見れば異教、キリスト教の記念日か。」

 バレンタインデーについて語る季久美さんは、何故か神々しかった。

 僕は、正直、見とれてしまっていた。

「バレンタインが投獄中、看守の中に目の見えない女性がいた。

 その女性と親しくなったバレンタインが、その女性のために祈り続けると

 奇跡的に目が見えるようになったんだ。

 その後、処刑されてしまうバレンタインは死ぬ前に

「あなたのバレンタインより」と彼女に手紙を残す。

 そのうちに、若い男性が好きな女性に愛の言葉をつづった手紙を

2月14日に贈る行動が広まっていったんだよね。

 今では、手紙からメッセージカードへと姿を変え男女でお互いに

渡し合うようになったんだけど、アメリカでは、クリスマスカードに

次いで多く出されているんだよ。」

 季久美さんは、正しい知識、ついでに日本でチョコが広まるようになった

歴史とか、海外との違いなんか教えてくれたが、僕にはそんなことどーでも

良かった。200%、そんなの関係ねえ。只、悪魔との契約とかゾンビとか

父親に騙されていたことの方が、問題だ。恐らく、クリスマスもそうだろう。

 僕は、腹が立ってしょうがなかった。恐らく、僕の光背に不動明王の

迦楼羅炎が立ち上っていたと思う。 


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