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青い春の日に咲け
桜咲いた春の日に
契りの盃 二人分
同じ日に逝くと誓い
異国の大地を踏みしめた
ひどく暑い青空に
鉛の花火がこだまする
春交わしたあの誓い
桜は散った 天へ昇る
蝉さえずる夏の日に
縄目の恥辱解かれ帰路に
青い春は遠い過去
盛夏の空にたなびく雲
ひどく暑い青空に
入道雲が顔を出した
青空から曇り空
魂のようだ あの雲は
盛夏の俺はまた恋するだろう
だけど貴様は見下ろすだけ
青い春に散った若き桜よ
抜けがけしたのは俺の方だ
契りを交わしたのに抜けがけする
罪な俺に嫉妬するのか
もう春訪れぬ若き桜よ
今は涙溢れて止まらぬ
蝉時雨とともに空は泣き出す
辛いだろう悔しいだろう
青い春はもう二度と訪れぬ
貴様を思うと涙溢れ…
故郷の大地に桜を植えた
貴様が寂しがらぬよう二株
泰平の青空の下、育て
もう一度青い春の日に咲け