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金策あれこれと沢彦和尚

この物語はフィクションです。現実とは一切関係ありません。

1544年(天文13年) 4月下旬 那古野城 吉法師


 達吉達の治療が終わった後、俺は治療した人たちに対して硝石丘の作成を依頼した。あ、達吉君の腕ももちろん治療したぜ。腕は生やせるかちょっと不安だったけど、いけたね。流石神聖魔法、チートでございます。達吉にはひたすら感謝され、彼も今では立派な信者となっております。ただ彼の場合はお道と違い、青Pも白Pも両方上がっていた。どういう違いなのかは分からないけど、まぁ両方上がるならそれがベストではあるよな。


 さて、硝石を作る際に糞尿を使用するんだが、感染症が恐い。まぁ最悪俺が回復してあげればいいんだけど、毎回俺がいくとなると、すごく大掛かりになってしまうんだ。だから硝石と並行して、石鹸を作ってもらうことにした。作り方をざっくりとしか覚えていないから、ある程度の作り方を教えて、後は達吉たちに丸投げしようと思う。まぁ初めは固まらなかったり、獣の油を使うから臭かったりするかもだけど、自分たちが使うんだから液状石鹸でも問題ない。もし固形石鹸が出来たら、そのノウハウを使って大々的に作ってみよう。石鹸は確か南蛮からの輸入ばかりだったはずだから、きっと高値で売れるだろう。


 もちろん俺たちの存在は、村の人たちに口止めしている。完全には無理かもしれないが、一応漏らせば祟りが起きるとか言って脅しているから大丈夫じゃないかと期待している。

 隔離されていた人たちの中には、よその村の人間もいる。そういう人たちは家に帰りたがるかなと思ったけど、みんな残ってくれた。俺に対する感謝っていうのもあるけど、家に帰れない、帰りたくない事情がそれぞれあるみたいだ。まぁもう治らないと思って捨てられたんだ。帰りにくいよな。

 とりあえず、試験的農法と硝石、石鹸作りはこんな感じだ。


 さて、結構順調にいっているように思えるが、実は問題がある。


 金がない。


 いや、あの村でやってきたことも一応長期的に見れば金になるんだけど、即金が欲しいんだよな。人を集めるにしても、何か作るにしても銭が必要だ。一応那古野城主だからある程度は持っているんだけど、この金って他に使用する目的がすでに決まってたりして、思ったほど自分の為に使えないんだよなぁ。だから、色々行動を起こすための即金が欲しいのでござる。あと金になりそうなのって言えば、清酒と椎茸か。でも椎茸も最初に取れるまで1年以上掛かるんだよなぁ。とりあえず後々の為に、八兵衛に原木になる木を探してもらっておこう。


 ってことで後は清酒だな。今出回っている酒は大体濁り酒っていう白く濁ったお酒だ。これに灰をぶち込んで一日置くと清酒が出来たはず。まぁこれも俺の城でやっちゃうと俺の仕業だってばれるから、爺に頼んで八兵衛辺りにやらせてみようか。もし成功したら、商人を呼んで高値で売らせよう。まとまった金になるはずだ。 





1544年(天文13年) 5月中旬  那古野城 


 硝石作りや新しい農法が始まったころ、俺は吉法師軍団と鍛錬に明け暮れる毎日を送っていた。城の内向きのことも本当なら城主として色々やるべきなんだろうけど、爺が大体捌いてくれている。いや、本当は俺もやりたいんだけど、うつけが城の事やり出したら流石にまずいし、それ以前に俺この時代の文字が読めないんだよね。だから鍛錬と並行して、手習いも必死になってやってます。


 俺に手習いやら色々教えてくれるのが、あの有名な沢彦和尚。史実で岐阜の命名や天下布武の印章を信長に勧めた人だな。

 ただ俺、この人正直苦手なんです。俺が転生して初めてこの人に会った時、なんか俺のことをじーっと見つめて来て嫌な感じだったんだよな。まぁ悪い人じゃないみたいなんだけど、いや、寧ろいい人なんだけど……多分俺が以前の吉法師と違うってことに何となく気づいているんだろうなぁ。頭打って文字を忘れたとか、言い訳にしても酷すぎる。本当は全てばらしてしまいたいんだけど……一応この人僧侶だし、神とかそう言うの多分アウトなんだよな。確か仏教って神を信仰の対象としちゃダメだった気がするし。本当のことを話してしまうと、第六天魔王とか呼ばれちゃいそうだよなぁ……だから沢彦和尚とは当分は気まずいままになりそうだ。

 信長は史実で一向宗に対して、根切やら色々苛烈なことをしていたけど、俺はこの世界でどうやって行けばいいんだろう。その辺りも少しづつ考えていかないとなぁ。


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