会いたくて。
五十嵐朔真 いがらしさくま
川崎虹奈かわさきにな
嫌な予感がしたんだ。
「皆に大事な話がある」
「あーもしかしたらこのまま目をつぶったら覚まさなくなるかも…。」君は風邪をひいた。38度もあるのに学校に来て。
「冗談言うなよ。ホントに大丈夫かよ。」
「ふふっ。ごめん……。」君はだるそうに、どこか悲しそうに微笑んだ。
「うち、いなくなったら寂しい?」
「……。まぁ。うん。」
「ありがとう。」
「結局帰んじゃん。顔真っ赤」
「先生にバレちゃったし。月曜日にはこれるようになるかな。」
「大丈夫かよ。じゃあな。」
「うん。さようなら。」
今ならわかる、なぜあの時バイバイではなくさよならと言ったのか。
「金曜日早退した。川崎虹奈が亡くなった。」
クラスは唖然とした。それはそうだろう。
金曜日君はいつも通り元気にしたんだから。あの言葉をおもいだした。
「うち演技上手いから。」
亡くなった理由は凄い高熱がでて、医師が手を終えない中、君の体が持たなくなってそのまま。なんであの時君は学校なんかに来たのだろうそればかり考える。
翌日死んだはずの君から手紙が来た。
朔真へ
よっ。こレを読んでいるってことは、私はもうこの世にいないのかな。あーあ、もう少し生きたかったな…
本当は命が終わることなんて分かってた。
私があの時学校に来た理由
俺はすごく君が愛おしくなった。会いたくて会いたくてたまらなくなって声を上げて泣いた。
来た理由はね……最後にあなたに会いたかったから。
好きでした。今までありがとう。
いかがでしたか?
短いですが。少し私の経験も入ってます。誰にも内緒ですが…ふふっ。
次回もお楽しみに。