2月27日
こちら『異世界教育に物申す~正しい魔法の覚え方~』に登場するある生徒の日記というか、独白的なサイドストーリーとなります。
本編『異世界教育に物申す~正しい魔法の覚え方~』
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2月27日
その日は受験した大学の合格発表の日で、朝から落ち着かず発表の時間まで予備校をつぶそうとして、家を出た。
でも、それがいけなかった。
予備校に着いた私が見たものは、救急車だった。まさかと思った。違ってほしいと思った。でも現実は残酷なものでしかなかった。
予備校にいた職員の人から話を聞くと、先生が亡くなったらしい。見つけた時にはもう完全に手遅れで、どうしようもなかったと。
目の前が真っ暗になったのは覚えている。そのあとも職員の人が何か言っていた気がするけど何を言っていたのか全く覚えていない。
大好きな、先生だった。生徒からは鬼畜、外道と呼ばれるほど厳しい先生だったけど、本当は優しくて何より生徒のことを考えてくれていたのではないかと思う。
最初はさぼりがちな私だったけど、親身に考えてくれた先生のおかげで、どうにか最後まで受験を乗り切ることが出来た。
その先生が死んでしまった。
頭がくらくらする、何も考えたく無かった。
今思うと間抜けだったと思うけど、予備校を出た私は階段から足を踏み外して、そして、死んでしまった。