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第一話 大学生とニート

 ある日のことである。

 アマツは外に出ることにした。

 3日ぐらい引きこもっていた。

 これ以上外に出なければ、干物になってしまうと考えた。

 ちなみに食料などはネットで買っていた。

 ネットの偉大さをその時改めて彼は感じた。


 彼は外出の準備を終え、靴を履き、マンションのドアを思いっきり開けた。


 「うお、眩しい!」


 アマツは思わず手で光を遮る。

 快晴であった、太陽は遠慮なくアマツの目を攻撃する。


 (天気良すぎだろ......)


 彼は視界に太陽の光によって出来た残像を残しながら、外へ歩み出る。


 アマツのアパートを出て5~10分ぐらい歩くと、少しでかい公園がある。

 そこは噴水もあり、かなり本格的であった。

 アマツはその公園のベンチに座る。


 「あ~、どこ就職しよう......」


 アマツは情けない声を出しながら頭を抱える。

 彼はまだどこに就職するか考えていなかったのだ。

 大学にいきたくないと言う理由で勢いで家を飛び出したアマツは、その時は就職は新しい住居を手に入れた時に考えようとしていたのだ。

 と、向こうからアマツを呼ぶ声がした。


 「お、アマツじゃないのか?」

 

 そのチャラい口調の声の方向に彼は振り向いた。

 彼の知り合いであった。

 彼の名前は十郎じゅうろうである。

 高校からの仲である。


 「あ、十郎か?久しぶりだな」

 「久しぶりにしては短くないか? 1か月前に会ったんだぞ?」

 「1か月前って久しぶりだろ」

 「俺の中では半年前から久しぶりなんだぜ」


 十郎はふざけた笑いをしながらアマツの肩をポンと叩く。


 「知らないよ。ていうか俺たちどんだけしょうもない会話してるんだよ」


 彼らはこういうくだらない会話をしては、笑いあっていた。


 「あ、そうだアマツ、お前もう就職した?」

 「? してないけど」

 「そうなのか。お前大学入らないもんだから、就職しているもんかと」


 十郎は大学に進学していたが、アマツはしていなかったのだ。

 

 「いやだって、大学面倒くさそうだし」

 「そんなことないぜ? サークルやら行事やらで結構楽しいぜ? まあたしかに勉強はきついけどな......」

 「ああ、でも肝心の就職先が決まらない......」

 「なんだよそれ、お金はどうしてるのか?」

 「お金は親からもらった金を切り崩して生活してるから、あと1年以上もつかな?」

 「それ結構やばい状態なんじゃね?」


 彼らが少し黙り込むと、十郎が口を開いた。


 「そうだお前、ディフェンサーズに入ったら?」

 「なんで?」

 「だってお前、炎でるじゃん。それ使ってエネミーを焼くつくせるんじゃないのか?」

 「うーん、でも、あまり使い道ないんだよなこの炎、威力あまりないし......放火でお前の家を燃やすことぐらいならできるかな?」

 「......お前今さらっとすごいジョークいったよな?」


 その時だった。

 突然、地響きがした。

 アマツの足にもその振動は伝わってきた。

  

 「なんだ?」

 「エネミーでも現れたのか?」


 辺りを見回すと、巨大な鰐みたいな生物が現れた。

 10メートル前後はあるだろうか。


 「やっぱりエネミーだ、アマツ、逃げるぞ......おーい、アマツ?」


 アマツは固まっていた。なぜなら......。


 「あのエネミーが向かっている場所、俺のアパートじゃねえか!?」

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