第十二話 大魔王の軍を追い払おう! その1
ある日、19区が侵略され始めた。
そのエネミーらは、「大魔王ペソ軍団」と名乗り、暴れまわっている
「大魔王ペソ?」
「ああ、その軍団が19区を襲っている」
ジュールは煙草を吸いながら言った。
「そして俺らは、19区を侵略されるのを防がなければならない」
彼らはディフェンサーズと魔王軍との戦いの前線に向かっている。
「しかし、上級戦士全員がこの戦いに強制参加とはな、いったいどんだけの軍勢なんすかね?」
「恐らく、いまだかつてないほどの勢力かもな......」
暫くして、その前線らしき場所が見えた。
「おうおう、派手にやってるな!」
そこはまさに、軍団規模の激戦となっていた。
手前が戦士側、奥が大魔王側となっている。
「うへぇ、思ったよりもすごいなこれ......」
「俺達も参加しましょう!」
と言って、その乱戦に入っていった。
大魔王の軍のエネミーは、約100体。
どれもレベル3~4と、かなりの集団だ。
その大軍団に対して戦士達は魔王軍に苦戦を強いられている。
「ギャオオオオ!!」
あるエネミーがアマツに襲い掛かった。
「うるさい!!」
アマツはそのエネミーに向かってファースト・ファイアを放った。
エネミーは火だるまになった。
「アマツ、お前前より炎の威力強くなった?」
「そうですか?」
「あ、そんなこと言ってる場合じゃなねぇ! また来るぞ!!」
再びエネミーが襲いかかってきた。
ジュールが電気弾をだしエネミーに当てると、エネミーがピクピクと痙攣し始めた。
そこへアマツが火炎放射をし、討伐をした。
「よし、二体目!」
「まただっ!!」
倒しても倒しても、次々と襲いかかってくるエネミー。
きりがない。
そして、ちらほらと倒れている戦士を見かけるようになった。
「こっちも上級戦士の増援が来てるが......このままじゃ19区が壊滅してしまう!」
「一体ナンバーズは何をしているんだ!」
この状況でもナンバーズが来ることはなく、戦士側では混乱も見えてきた。
「お、俺は逃げるぞ!」
そして逃げ出す戦士も出てきた。
「くそ、もうこの前線を維持することは無理だ! あの向こうは都心部だぞ! あそこを荒らしまわされたら大変だ!」
「ああ、俺はどうしたらいいんすか!?」
「とにかく戦ええええ!!」
だが、ジュールもアマツもそろそろ疲労がたまっていく頃だった。
「く、これ以上戦うのはきついな......」
アマツがそういっていると、後ろから、エネミーが高速で飛んできた。
「アマツ、危ない!!」
「えっ?」
アマツは後ろを振り返った。
そこには目の前にエネミーが......。
アマツは回避を試みようとしたが、
(う......動けねぇ......)
アマツはずっと体を動かしていたので、もう体が動かなくなった。
この時彼は死すら覚悟した。
その時、魔法陣のようなものがアマツの前に現れた。
それは、エネミーの攻撃を防ぎ、エネミーを退けた。
「はいそこちょっとどいて~、はいはいそこのきみだよ~」
後ろからアマツに対する声がした。
アマツが後ろを向くと、を着た男性が一人、歩いてきた。
彼はNO.17の、安倍泰昌だ。
「ちょっとその獲物もらっていいよね?」
「え? あ、はい」
彼は、アマツの前に立った。
エネミーは泰昌に突撃してきた。
すると彼は、右手に持っている錫杖を前にだした。
すると、前にさっきの魔法陣が飛び出し、そこからビームをだした。
エネミーが怯むと、その隙に札をだし、地面に叩きつけた。
今度はエネミーの上下に魔法陣が現れた。
「消え給え!」
彼がそういうと、エネミーが光出した。
「ウガアアアアア!!」
エネミーは叫びながら上下の魔法陣に吸い込まれるように消えて行った。
「ほい、浄化完了」
「安倍泰昌......陰陽師の家系である彼は、最近ナンバーズになったばかりだが、その実力は将来の一桁ナンバーとされるほどの実力......」
「末席とはいえ、ナンバーズになるに相応しい力があるということっすね......」
アマツは、ナンバーズになりたいと思っていたが、この人を見て、自分はまだまだだということを思い知らされた。
「......やっと、ナンバーズが来てくれたか」
ジュールはそういって安心した。
「何一人ででしゃばってるんだ、泰昌?」
また誰かが来たようだ。
「いいじゃないか、こいつらがピンチだったんだし」
「ナンバーズになりたてのあんたがいなくても、あたいらがなんとかできたのにな」
「要、やめなさい」
ショートヘアーの女が口を出すのを、もう一人のロングヘアーの女が止めた。
「あ、あの人たちもナンバーズ?」
「そうだ、まだナンバーズは来るはずだ。そうすれば、これでこの19区は守られたも同然だ!」
ここから、ディフェンサーズの反撃が、始まる。