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幕間9:中道はるひ

「ふふふ~ん」

 俺、中道はるひは元気よく鍬を振り上げていた。

 はるひというひらがなの名前は珍しいと思うが、俺はこの名前を気に入っている。名前って親がくれる一番最初のプレゼントだと思うし、からかわれることもあったけれど俺にとっては嬉しい名前だ。

 さて、異世界にやってきた俺はこれからどのように生きていくべきかと考えた時に、騎士になろうとは思わなかった。大体、戦う事が出来るとは思わなかったしな。あと《渡り人》だと知られてしまっている場所で生活したくなかったから、準備を整えたらすぐにクラスメイト達からは離れた。

 深く狭くな交友関係を築いていた俺にはクラスメイトの中で特に仲良い人もいなかったし。異世界に来て、家族に会えない事は悲しいけれども落ち込んでいても仕方がないと割り切って自分の生きる道を模索する事にしたのだ。

 で、その結果、俺は農家になる事にした。

 ファンタジー世界に来てまで何故、農家かって? とある村に滞在した時に食べた野菜が美味しかった。それで農家してみたいなーと何となく思ったからだ。元々体を動かす事は嫌いじゃないし。

 あと、俺のユニークスキルは《虫を操る者》だったから害虫を排除して、益虫を近寄らせるといった真似も出来るし。地球でも土をいじる事も好きだったし、虫を見るのも結構好きだった。カマキリとか見つけておーっと興奮するような人間だったので、農家もあっているかなと思ったのだ。

 ちなみに魔物もいる世界で下手なところで農家をやれば死ぬかもしれないと考えたため、まずは用心棒を作った。用心棒は、カマキリ型の魔物のカーくんとクワガタ型の魔物のクーちゃんだ! ちなみに名前は俺が命名した。

 ちゃんと魔力で契約を結んだのだ。一応、俺はテイマーって事になるのかな? 魔力で契約を魔物と結べるとか面白いよな。ちゃんとモンスターショップを巡って出会った。ユニークスキルの効果なのか、契約を結ぶのは楽だった。あと契約を結んでいるだけでもユニークスキル上がっていくので、レベル上げが結構楽だったりする。

 でも用心棒がいようとも不安なので、警備のちゃんとした街で畑を買った。農家をやるための費用は、カーくんとクーちゃんが頑張ってくれたのだ。魔物を退治したりして、その素材を売って手に入れた。ちなみにあんまり強くない虫型の魔物だと頼めば、自分の体の素材くれたりしたし。あとは虫をけしかけて魔物を混乱させたりもできたし。

 まぁ、農家としてやっていけるだけの準備が出来てからは魔物退治なんて恐ろしい事は一切やってないけどな。

 土地を耕して、農作物を育てるのは結構楽しい。

 自分の育てたものが売れるのも、何だかとても達成感に満ちる事で、嬉しい。

 なので、意気揚々と俺は農家をやっている。

 既存の農作物を育てているわけだが、頑張って品種改良もしてみようと企んでいる。どうせなら、俺ブランドの野菜とか果物とか育てたい。そしてそれが有名になったらもっと楽しい。

 今は一人で農家をやっているけれど少しずつ売り上げも上がっているから、誰か人を雇う事も視野に入れている。

「ギョギョギョ」

「カーくん、ありがとう」

 まぁ、用心棒であるカーくんとクーちゃんも畑仕事を手伝ってくれているので、一人とはいいがたいかもしれないが。でもまぁ、人手があった方がこれからのためになるだろうしな。

 出来たら可愛い子を雇いたいなー。やっぱ俺も男だし、可愛い子とか傍にいたらやる気とか倍増しそう。結婚もしたいしな。この世界だともう俺の年代とか成人しているわけだし。うん、良さげな子がいたらアプローチしてお嫁さんに欲しい。あ、でももちろんカーくんとクーちゃんを敬遠しない人って条件がつくけど。虫が苦手な子だとまず俺と合わないだろうし。

 あとでギルドにいって、求人出そう。

 可愛い子がいいとか言っているけど、まぁ、男手も欲しいけどな。力仕事も結構あるから、もっと力仕事出来る存在も欲しい。あとは何より信頼が出来るかどうかも重要だ。カーくんとクーちゃんという用心棒がいるとはいえ、この世界は地球より命が軽い。こちらを殺そうとする人でもいたら俺はあっさり死んでしまうかもしれない。それは勘弁したい。俺は長生きできるだけして、お嫁さんと孫とかに見守られながら安らかな老衰をしたいという目標があるのだ。

 そのためには、もっとこの世界で生きていくための術を整えていかなければ。カーくんとクーちゃん以外にも虫系の魔物増やしたいなと思っている。虫の魔物だと意志疎通も楽だし。


 そんな風に未来の事を思考しながらも、俺は今日も農作業に勤しむのだった。

 


クラスメイト一覧(今出ている分だけ)

《騎士》

三森(教師)


・竜崎グループ

竜崎光《光の剣》

紅沙月《炎の鞭》

西園寺南

神崎朱莉《水の衣》

野田千明

沢木代野《氷槍》


・元スポーツ部

村野琢哉《魔球》

八重金太《守りの手》

大洲上一鶴

内川優



山岸美緒《火纏いの剣》

深見果南《高揚の歌》


・問題解決の三人

谷陽子《写生記憶》

丘美喜《夢の世界》

中条天《物質記憶》


・騎士職を退職

佐川悠斗《石に好かれし者》

立花花蓮《文房具マスター》


《料理人》

中谷智《料理美味》


《モンスターショップ》

渡辺園美《犬耳》



《冒険者ギルド》

神宮信《癒しの祈り》

伊上光之助《炎の弓》

榎本千奈《闇の裁き》


秋田奈子《火炎弾》

塚本孝輔《硬質化》

松崎賢斗《我流鑑定》



畑有紀子《幾千の声》


《詳細不明》

大鳥学《拳強化》


《生産ギルド》

緑山文佳《植物知識》


《商人ギルド》

井之上乃愛

北野上美愛


《農家》

中道はるひ《虫を操る者》


《死亡》

真崎麻紀 《スキルコピー》


今の所名前判明しているクラスメイト33名(主人公含めて)

男17名

女16名

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