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35.鉱山 2

 鉱石が手に入ると俺は嬉しくなって、思わず笑みを零してしまうぐらいだった。サリエスさんに「本当に物を作る事に関わることだとヒューガは笑うわね」と言われてなんだが恥ずかしかった。

 この鉱石を持ち帰ったらワルザさんにもっといろいろな作り方を習おうとか、今度は何を作ろうとかそういうことを考えるだけで興奮していたのだ。

 やはり、俺のひとまずの目標はこの世界で生きていくだけの力をつけることだけれども、その先ではものづくりをしていきたい。俺がずっとやりたいことは冒険者業ではなくて、何かを作る事なのだ。何れものづくりをしていって、俺にだけしか作れないものでも作れるようになれば——とか、そういう願望がどんどんわいてくる。そう思いながらも、気を引き締めて鉱山に生息する魔物を退治していく。数えきれないほどのそれを繰り返せば、レベルも上がっていき、それと同時に《看破》のスキルも手に入った。




 日向彪牙 

 レベル13

 種族 人間

 年齢 十七歳

 HP 55

 MP 48

 STR(筋力値) 40

 VIT(防御値) 30

 INT(知力値) 51

 DEX(器用値) 58

 AGI(俊敏値) 34

 LUC(運値) 18

 CHARM(魅力値) 12

 スキル

 《投石レベル4》、《足技レベル2》、《解体レベル4》、《剣レベル7》、《土魔法レベル7》、《鍛冶レベル2》、《採掘レベル1》、《看破レベル1》

 ユニークスキル

 《土操手レベル6》



 自分のステータスを見て、少しずつ自分が出来る事が増えていっている事を嬉しく思った。何より、物を作る系のスキルが手に入っている事が嬉しかった。もっと他のものづくりもやっていきたい。ひとまず鍛冶を一通りならってから次をやることになるだろうが、少しずつ自分の目標へ近づいている気がして前向きな気持ちになれた。

 そして看破のスキルだが、思ったよりも使い勝手が良い。現状、レベルが1なため少ししか分からないがなんとなくでも急所がわかるというのは戦いやすいものだった。

 サリエスさんは《看破》のスキルを俺が手に入れた事を知ると自分の事のように喜んでくれた。鉱山の魔物たちは硬いものが本当に多かったが、《看破》のスキルを覚えたり、戦い方を覚えるとどうにか対処できるようになっていた。サリエスさんのアドバイスが的確だったからというのもあるが。

 サリエスさんは、魔物の存在をすぐに感知している。そのことについてもきいたら《魔力感知》というスキルがあると教えてもらえた。その名の通り、魔物を感知できるスキルでレベルを上げると姿を見なくてもどういう存在が近づいてきているかなど感じ取れたりするらしい。加えてサリエスさんの場合は精霊が教えてくれる場合もあるようだ。

 サリエスさんの周りにいるという精霊の存在を、俺はやっぱり感じ取れない。土の精霊が俺の周りに居たりするとサリエスさんは言うのだが、本当に……サリエスさんの瞳にどんな世界が広がっているのかいつか見てみたいと思えてならない。現状、精霊を見る方法なんて思いつきもしないのにそんなことを考えてしまった。

 それから冒険者としての依頼で受けている鉱山の魔物退治を終え、鉱石も手に入れる事が出来て俺はとても満足をしていた。

「鑑定系のスキルや採取系のスキルもっと覚えたい……」

「薬草や毒草についてだったら私が教えられるわよ」

「じゃあ教えて欲しい」

「いいわよ、もちろん。でも、一つずつやった方がいいと思うわよ? なんにでも手を出していたら中途半端になりそうだもの」

 くすくすとおかしそうにサリエスさんは笑いながら言う。

 まずは鍛冶を一通りワルザさんに習ってから、次に調合もやってみたいからそちらをサリエスさんに習ってみよう。

 ある程度いろんな物を作ってみて……それが、売れたりしたら嬉しい。将来的な目標としては人にあまりかかわらずにモノづくりをしながら生活していくことなのだから、そのためにももっといろいろな事を学ばなければならない。

 ふと、俺はサリエスさんに聞く。

「ワルザさんに鍛冶をもっと習いたいからしばらくこの街にとどまるけど大丈夫か? 何処か行きたいところがあるのならサリエスさんはパーティー解除してそちらにいっても……」

「大丈夫よ。そんなに急ぎの用事もないもの」

 俺はひとまず鍛冶を習うためにこの街にとどまる事を決めていた。でもそれでサリエスさんは良いのだろうかと疑問だった。でもサリエスさんは問題はないらしい。

 思えば、俺はサリエスさんとパーティーを組んでいるけれどサリエスさんの事をよく知らない。

 俺も、自分の事をサリエスさんにほとんど何も話していない。

 だけど……まぁ、サリエスさんと一緒に過ごすのはそこまで居心地が悪いわけでもなく、学べる事が多いのでサリエスさんの俺とパーティーを組むという気まぐれが終わるまでに沢山の事を学びとろうとそう思いながら鉱山を後にした。




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