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18.護衛依頼

「ヒューガさん、ドワンの街への護衛依頼が来たのでお知らせします」

「いつからですか?」

「丁度一週間後に出発です。ティーレリ商会の商隊の依頼になります。またヒューガさんだけではなく、護衛として冒険者が十数人はつきますので、旅慣れしていないヒューガさんも大丈夫だと思います。冒険者としてベテランの方も参加するので、新人冒険者として色々聞いておくといいかもしれません」

 ウーヤさんはこちらに気を使ってそういってくれた。護衛も旅も全然した事がない俺は確かに周りに旅慣れしているものが多く居る方がやりやすいだろう。

 ベテランの冒険者も参加するのならば、色々と聞いて学んでおきたい。

 鍛冶の街ドワンまではそれなりに距離があるから、その間に色々と学べるだろう。それにしても、鍛冶の街という単語を聞くだけでやはりわくわくしてしまうのは、俺がものづくりが好きだからだろう。この世界に来てからあまり何もできていないけれど、この世界で生きていくだけの力を手に入れられたら、色々作ってみたいと本当にそう思う。

「わかりました。一週間後ですね。それまでに準備しておこうと思います」

「待ち合わせ場所は西の馬車の乗合所になります。時間は朝の七時ですので、遅れないようにお願いします」

「はい。わかりました」

 依頼を受けようと思ってギルドに来たのだが、一週間後に街を出るのならば先に準備をしよう。ある程度旅に必要なものはウーヤさんやケイリンさん、また知り合った街の人たちに聞いて準備しているけれど、もっと必要なものもあるかもしれない。

 ポーションとMPポーションも高価だったが、購入している。本当はこういうものも作れるようになりたいのだが、先に自分で戦う力を身に着ける事と、この世界で生活していくことを優先させてしまったから作り方を習えてもいない。次の街についたら、俺の事を渡り人だと知る人もいなくなるわけだし、クラスメイト達とも離れるし、この世界についてからずっとやってこれなかったものづくりの方面に少しは力を入れよう。

 これからもしばらく旅をするのならば、何でも自分で作れるようになった方がいいからそれを目指すのは当然として、この世界の常識についてももっと学んでいく必要もあるし、力をつけなければそもそもすぐに死んでしまうし。

 街の中を歩きながら、やりたいことを思い浮かべる。

 それにしても荷物も最低限で必要なものを旅のためにまとめたつもりだけれど、《アイテムボックス》を持っていたらもっと楽なのにと思ってならない。《アイテムボックス》は高価だし、俺みたいな新人冒険者には持てないのはわかっているけれど、持っていた方が便利だ。

 《アイテムボックス》とか魔法具も自分で作れるようになったら楽しいと思うのだけど、そういうのの作り方ってどうやって学ぶべきだろうか。幸い渡り人は寿命が長いのもあって、学ぶ時間はあるし、習えたら習って、自分で何でも作りたい。

 まだ将来どうするかは決めていないが、この世界で一生を終えるのだからこの世界でどう生きていくか決めなければならない。

 難しい。

 人生について違う世界で考えなければならないなんて、この世界に来るまで一切考えもしなかったというのに。

 靴もなるべくどういう場所でも歩きやすい方がいいとそういう靴を選んではいているけれど、この世界に来て、買い替えてからずっと同じ靴だったから結構ボロボロだ。買い替えてから、護衛依頼に向かった方がいいかもしれない。

 それに服も、動きやすさを重視した服を着ているけれど、慣れているこの街周辺から出るのだからもっと防御力の高いものを選ぶべきだろう。とりあえず防具屋に向かおう。

 お金は……それなりにたまっているし、出し惜しみして旅の最中に死んでは意味がないのだ。生きていなければ世の中どうしようもない。それを思えば防御力を考えれば少し高くつくが買った方がいい。

 防具屋で店員に色々と話を聞く。

 流石魔法のある世界というべきか、魔法耐性などが付加されたものまであった。魔物の中には魔法を使うものもいるけれど、とりあえず魔法耐性は高すぎたので断念をして、物理耐性がそこそこに高く、熱に強い素材を使っているローブを購入した。鎧は正直動けなくなって終わりだと思ったため、俺はこの世界に来てから重い鎧は身に着けていない。

 あと素早さをあげるという兎の魔物の毛皮で作った靴も購入した。

 両方合わせて半白銀貨とんだ。

 そして次に武器屋にいって、武器も長剣と短剣を購入した。

 結構ためていたつもりだが、それなりに飛んでしまった。

 護衛依頼は報酬がそれなりに高いらしいけど、それも盗賊や魔物の危険があるからだ。命を大事にするためにも、お金は気にせず買っておかなければ。

 命より高いものはないのだから。




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