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11.冒険者2

「お前が戦闘を教えて欲しいという渡り人か」

 さて、ウーヤさんに二日ほど戦闘を教えてくれる冒険者を紹介してもらうように頼んだ翌日。

 俺の目の前には、こげ茶色の髪を持つ、三十代ぐらいの男が居る。背中には大剣を背負っていて、いかにも冒険者といった風貌をしている。

「はい。貴方が俺に戦闘を教えてくださる方ですか?」

「ああ。そうだ。ギルドランクCのケイリンという」

 ギルドランクCとは結構高い。ケイリンさんのステータスの値がどれくらいかはわからないが、見た感じ歴戦の戦士である。

 ケイリンさんをまじまじと見ていると、ウーヤさんが声をかけてくる。

「ケイリンさんは冒険者歴15年のベテランなので、沢山学んでくださいね」

 そんな風に言われて正直運が良いと思った。実力はあっても経験がないといった人ではなく、実力もあり経験も豊富な人に二日間という短い期間だが、色々教われるのは助かるものだ。

 まず最初は武器選びから始まった。俺は冒険者ギルドに登録したものの、ランクの低い戦闘のないものしかしておらず、そもそもどの武器を扱うべきかというのもまだわかっていなかった。

 ケイリンさんはとりあえず俺のステータスを聞いてきた。そうしたらとりあえずSTRが低いため大剣などは持てないだろうといわれた。俺も自分がそんなもの振り回している未来など見えない。

 DEXが高いなら弓をやってみてもいいかもしれないとも言われたが、弓と矢を借りる場合他の武器よりもお金がかかるらしいので(矢の消費も考えて)、俺でも扱えそうな長剣を貸出してもらった。

 何事も経験をしたほうがいい、ということで早速簡単な討伐の依頼に行くことになった。二日間しかお金の問題で雇えなかったのも討伐の依頼に早速行くことになった理由の一つだ。

 とりあえず初心者向けということで《ホワイトラビット》と《ブラックフロッグ》というのを倒しに行くことになった。ちなみに《スライム》は、某RPGの雑魚扱いとは違い、この世界では強い魔物であるらしい。物理攻撃がほとんどきかない曲者らしい。地球からの渡り人は基本的に《スライム》の強さを誤解しているらしく、先に教えてくれた。

 《ホワイトラビット》っていうのは、森で俺たちが倒したあのウサギの名称らしい。

 基本的に《ホワイトラビット》も《ブラックフロッグ》も弱いのだが、群れをなすらしい。そういえばあの森でも群れをなしていた。この二種類の魔物は繁殖能力が高く、基本的にいつも討伐依頼が出ているらしい。

 まず《ホワイトラビット》の討伐に向かう。森の中に沢山いた。ケイリンさんが大多数の《ホワイトラビット》を引き受けてくれたので、その間で長剣で切り付けてみる。

「首の部分を狙えば結構一撃で死ぬぞ」

 正直森の時はけりとかで倒したし、長剣で戦ったことなんて当たり前にないため戸惑っていたらそういわれた。

 こんな感じでいいかなと探りながら勢いよく長剣を首へと向ける。

 そうすれば結構あっけなく《ホワイトラビット》は死んだ。なんか、解体はやったけれど生きている生物を切り殺すって何とも言えない気分だ。地球では生物を生きたまま殺すなんてそういう真似はせずに生きていられたけど、この異世界ではそうもいってられない。

 俺たちをこの世界に連れてきた存在は、俺たちが死んでもどうとも思わない。ご都合主義が働くとも思えない。とりあえずの生計を冒険者としてたてる事を決めたのだから、魔物の討伐にもなれなければならない。

 何体か、俺が討伐しおえた時には他の《ホワイトラビット》はすっかりケイリンさんに討伐されていた。

 周りを倒した後に俺が《ホワイトラビット》を相手にしているのをしっかり見ていてくれたらしく、ここはこうしたほうがいいとか、あそこはああしたほうがいいとか色々教えてくれた。

 討伐依頼は討伐した証明である部位を切り落としてもっていくだけでもいいらしいが、倒した魔物を持って行って売った方がお金になるらしい。解体は別にしなくてもいいらしく、ケイリンさんは自前の《アイテムボックス》に死体を突っ込んでいた。解体はギルドの買い取り場でもしてくれるらしい。

 《アイテムボックス》は高いが、荷物の持ち運びに便利なアイテムだ。ケイリンさんのそれは、腰に下げられているほどの大きさだがどんどん死体を飲み込んでいくさまは圧巻だった。でもケイリンさんの持つそれは上限が低いものらしい。だからあまりにも多いと入らないらしい。

 ただ俺は解体の練習もしたいし、一人で討伐をするときは解体して持っていこうと思う。あと部位だけ持っていくにしても、きちんと死体の処理はするようにと言われた。処理をしないと死体に魔物が寄ってきたりとかして色々面倒な頃になるらしい。あと腐敗臭も。

 《ブラックフロッグ》は正直カエルが好きなわけではないので、それなりに大きな黒いカエルが大量に飛び跳ねている様には寒気がした。しかし、やらないわけにもいかない。大体カエルを嫌がっていたら冒険者なんて出来ないと思う。

 そんなわけで頑張ったわけだが、苦手意識が出ていたのかもっと積極的にいけと怒られた。

 討伐が終わった頃にはカエルに対する苦手意識は大分薄まっていた。

 そんなこんなでケイリンさんに教わった初日は終わった。一日だけだったけれど、それなりに魔物を討伐できた。尤も雑魚敵ばかりだが。お金の問題もあり、時間が少ないから沢山短い時間で学ぼうと思う。

 そして、久しぶりにステータスを見たらレベルも上がっていた。








 日向彪牙 

 レベル4

 種族 人間

 年齢 十七歳

 HP 17

 MP 22

 STR(筋力値) 20

 VIT(防御値) 16

 INT(知力値) 30

 DEX(器用値) 43

 AGI(俊敏値) 16

 LUC(運値) 15

 CHARM(魅力値) 12

 スキル

 《投石レベル2》、《足技レベル1》、《解体レベル2》、《剣レベル2》

 ユニークスキル

 《土操手レベル1》



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