第2話 海斗の思いと説明
今回は海斗が異世界に来るまでの、思いから始まります。
あと、この小説は会話文がだいぶ多いですので、ご注意ください。
海斗Side
これはまだ俺がこの世界に来る前の話しだ。
俺の家庭は俺と両親と兄と姉と妹の6人家族で俺以外の家族はみんな俳優やモデルなどをしている、芸能人一家だった。
俺は興味が無かったから、一切そういう仕事はしたことが無かった。
そのため、家族とは大きな溝ができてしまったのだ。
だから、俺は家に居場所は無かった。
でも、そんな俺を気にかけてくる奴がいた。
それが優希だった。
あいつは、子供の頃からよく独りになる俺を見つけてはあいつは無理やり俺を表舞台に引きずり込んだ。
最初の頃はとてもうざかったが、時が経つにつれ、だんだんとあいつと俺の周りには人が増えていった。
俺はだんだんと笑顔が増えていった。
でも、たとえ学校にたくさんの友人がいたとしても家に帰ればまた一人に逆戻りになってしまう。
だから、俺は中学に上がった頃から仮面をつけるようにしてきた。
自分が傷つかないようにするために。
そのため、俺は家族との思い出は数えるほども無い。
だからこそ、俺は家での寂しさ紛らわすためVRMMOにはまって行った。
そんな時に出会ったのが《FreeLifeOnline》だった。
このゲームは始めのうちは人が少なかったが、だんだんと人が増えていきたくさん友人ができた。
学校で会うクラスメート、本当の顔を知らない人たちなどたくさんの人たちとかかわりを持つことができた。
そして、俺が中三の夏休みもあと1週間ほどになった頃、俺はいつものようにパソコンのチェックをしていると、差出人不明のメールが来ていたためウイルスの可能性も考え、セキュリティーソフトを起動させ、メールをあけると急に画面がまぶしくなりそのままこの世界に来ていたのだった。
これが俺がこの世界に来るまでの大まかなあらすじだ。
Side終了
海斗はとりあえず、大まかな説明をした。
「まあ、こんなかんじかな」
「パソコンのメールをチェックしていたらこの世界に飛ばされた・・・か」
「そうそう」
「まあ、そんな感じだね。優希のほうはどうやってこの世界に来たんだ」
「私は簡単に言えば勇者役に巻き込まれたかんじね」
「勇者?・・・・ああ、南大陸のほうで勇者召還の儀式をしたって情報はきいたけどそれにまきこまれてほかの人が来たって話は聞いてないな」
「まあ、そいつは本当にムカつくハーレム野郎やその幼馴染とかなんだけどね」
「なるほど、だいたい分かった。つまり、そのハーレム野郎共に追い出されたって感じでOK」
「OKよ」
「・・・・・お疲れ様。まあ、とりあえず、しばらくは家に泊まっていけばいいよ。使ってない部屋なんてくさるほどあるし」
「ありがとう」
「あと、明日お金を渡すから、服や生活用品を買ってきなよ。俺はギルドの仕事があるから一緒に行けないけど、とりあえずこの町の人たちは親切だから何か分からないことがあったら質問しろよ。知ってることなら大体は答えてくれるぞ」
「わかった」
「まあ、とりあえず今日は俺の寝巻きを貸すからそれを着ろよ。あと、風呂の用意もできているから入ってこいよ」
「ほんと、ありがとう。朝から歩きぱなしだったからお風呂に入りたかったの」
「それはよかった」
海斗は優希にバスタオルを渡し、風呂場の場所を教えた。
その後、海斗は風呂場の前の脱衣所に寝巻きを置くと、使っていない部屋一つを掃除した。
掃除が終わり、リビングに戻るとそこには風呂からあがり、海斗の貸した寝巻きを着てソファーに座っていた。
「湯加減はどうだった?」
「良かったわよ。てか、思っていた以上に大きなお風呂だったんだけど」
「まあ、少し細工してあるからな」
「それにこの家、外見と中身がまったくかみ合ってないんだけど」
「やっぱりばれたか」
「一体に何したのよ」
「俺の職業のアークビショップの魔力と俺が冒険者時代に入手した強力なエリアストーンを使って空間をいじったんだ」
「この世界はそんなこともできるの! その前にエリアストーンって何?」
「ああ、エリアストーンは人工ダンジョンに使われているアイテムなんだが。てか、人工ダンジョって知ってるか」
「たしか、他の大陸の騎士団などが訓練で使っている仮想空間を作るやつよね?でも、あれって複数の100人ぐらいの魔術師が協力して作っているって話を聞いたんだけど」
「そのとおり、それを使っているのでございます」
「でもそんなの一人で動かせるの?」
「一から空間を作っているわけじゃないから、俺クラスの魔術師が一人でもいればできるよ」
「本当にあんたってチートなのね」
「まあ、そうだね。てか、優希の職業は何なんだ?」
「見る?」
「うん。あ、俺のステータスも見せるよ」
海斗と優希はステータスなどが書かれているデータカードと呼ばれる物を召還し、カードを交換した。
海斗と優希はお互いのステータスを見て、それぞれ驚いた。
「なんだ?この職業?」
「何このレベル。カンストしてるんだけど」
海斗は優希のデータカードに書かれていた職業《天の使い》に、優希は海斗のレベル1000のと書かれた箇所に驚愕した。
ここで、この世界のレベルについて説明しよう。
この世界では様々なこと、例えばモンスターを倒すや様々な依頼をこなすことから、普通に仕事をするだけでも経験値が入る。
そして、その最高レベルが1000に設定されており、最高レベルに達しているのは世界の中でも一人や二人しかいないと言われているのだ。
そして、海斗が住んでいた世界でもこのゲームで関すとレベルに達しているプレイヤーは50人もいないと言われており、相当の廃人プレイヤーや天然のチート使いと呼ばれるくらいに強いのだ。
この世界でも大体の一般人は死ぬまでに約250~300までのレベルになると言われており、騎士や冒険者は400~600ぐらいで才能があるものでも800が限度だと言われている。
次に職業についての追加の説明をしよう。
職業は大体が他のRPGと同じように剣士や魔術師から派生していき上位職になる。
だが、例外としてある条件を満たしたものしかなれない職業もあり、海斗の職業はまさしくそれである。
だが、その職業は条件を満たせば誰でもなることができる。
さらに、全ての職業はすでに全て明かされているのだが、優希の職業である《天の使い》と呼ばれる職業は存在してないのだ。
そのため優希の職業はユニーク職と呼ばれるものに分類されており、なれる人は決められている。
前回説明を忘れていたがこの世界では他の職業のときに習得したスキルや魔法は職業を変えた後でも使用することができ、海斗は魔法以外に暗殺者のどが持つ隠密スキルや探索スキル、罠スキルなども習得している。
優希は、双剣スキルや回復や身体能力強化に特化した魔法やスキルを数多く習得している。
二人はそれぞれのカードの確認をすると、カードを返した。
「とりあえず、お前も凄くがんばっているんだな。レベルが849なんて凄いじゃないか」
「あんたのレベルを見れば、ただの皮肉にしか聞こえないわよ」
「ごめん」
「まあ、いいわ。とりあえず今日は疲れたし休みたいんだけど」
「そうだね。他の話は明日しようか。それじゃあ部屋に案内するよ」
海斗はそう言うと、優希を先ほど掃除した部屋に案内した。
海斗は優希を部屋まで送ると自室に戻り眠りについた。




