17話 話を始めましょう
今回は短いですが、次回は海斗がこの世界に来てからシルフィスと出会うまでなので、結構長くなる予定です。
海斗と優希は何時ものように二人で朝食をとっていた。
優希は一個目のパン食べ終わると、海斗に今日の予定について質問した。
「今日はシルフィスさんとマリベル以外に誰が来るの」
「ああ、最近アニマーのマスターになったばかりの友人で、ミーシャってやつ」
「そうなんだ。ちなみに女?」
「そうだよ。ちなみにウサギの獸人」
「マニアなら泣いて喜びそうなキャラみたいだね」
「そのとおりだよ。だから、昔、その容姿のせいで色々な問題がおこったんだよ」
「そうなんだ……」
「まあ、あいつもあまり変わってなさそうだからすぐにうちとけられると思うぞ」
「ふ~ん。それは置いといて三人は何時頃来る予定なの?」
「シルフィスは今から約一時間後位でマリベルは二時間後でミーシャが不明です」
「てか、あまりに後一時間ってあまり時間がないじゃない」
「…そうだな」
二人はあまり時間がないことに気付き、話すをやめ朝食を何時もより早いスピードで食べ終えた。
その後、二人はそれぞれ分担して家事を行い、シルフィスが来る予定の五分前まで準備や家事を続けた。
そして、それから約10分後にシルフィスがギルドに訪れた。
そこで、シルフィスはテーブルの上に突っ伏している二人を見つけた。
「何があったんだい」
「いや、ただ休みの日はいつも二人揃って怠惰的に過ごしていたから・・・・」
「その付けが回ってきただけだからあまり心配しないでください」
二人は力なくそう言った。
シルフィスは苦笑いを浮かべながら、持ってきたお土産をテーブルの上に置いた。
「とりあえず、みんなで食べようとミローネで最近話題のお茶菓子を持ってきたよ」
「もしかして、最近話題になっているあの『フルーツクッキー』か?」
「そうだよ」
シルフィスがそう言うと、海斗と優希の二人は顔を見合わせ困った表情になった。
「どうしたんだ?」
「いや、実はそれ一昨日俺も今日のために買ってきたんだよな・・・・」
「マジで。まさか、同じのを海斗が買っているとは思ってなかったよ」
「俺もだよ・・・。仕方ない、二人が来る前に先に片方食べるか」
「そうだね」
「それじゃあ、お茶の用意してくるわね」
優希はそう言うと、シルフィスが持ってきた『フルーツクッキー』を持って、キッチンに向かった。
海斗とシルフィスは優希が来るまで、今日優希に話す内容を少し相談することにした。
「で、ユウキちゃんには何を話す予定なんだ」
「一応、俺がこの世界に来た時のことと《ヘルパー》メンバーとの出会いぐらいかな」
「まあ、それなら問題ないか・・・」
「それに丁度4人揃うから話しやすいし」
「なるほどな・・・」
「まあ、黒歴史は話さない予定だけど、あの二人が来るからな・・・」
「どちらかが、口を滑らさなければ大丈夫だろう」
「だと、いいけどな」
「まあ、なるようになるさ」
その時、ドアが開き優希が紅茶とお茶菓子を運んできた。
三人の席の前にそれぞれ紅茶が用意された。
「さて、それじゃあ、昔話でも始めますか。ちなみに、優希は何から聞きたい」
「そうね。まあ、普通に考えて海斗がこの世界に来た時の話から始めたほうが分かりやすいんじゃないの」
「まあ、そうだけな。でも、その話をすると・・・」
「うん。僕との出会いの話も同時にすることになるよね」
「どういうことなの?」
「まあ、それは聞いてからのお楽しみだよな」
「そうだね」
「う~~ん。気になるから早く話しなさいよ」
「了解。それは俺がまだ、15歳の時だった・・・・・」




