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俺は異世界でも平和に暮らしていたい  作者: 夜乃
変わり始めた日常
15/24

10話 海斗の授業その1

ようやく、学園に戻りました。

イザベラを保健室に運び、海斗は教室に戻ってきた。

生徒たちは海斗の出した課題を調べていた。

グループを組み課題に取り組むものや教科書や参考資料などを基に独学で勉強するものの二つに分かれ取り組んでいた。

海斗はそれを数分間観察すると、手をたたき終了を告げた。


「はい、そこまで。それじゃあ調べた結果を教えてもらおうか。それじゃあ、魔法関連が得意なローゼ頼むぞ」


「はい。まず、魔法陣とは魔法を使うための媒体であり、制御装置の事を指します。ちなみに初級魔法は媒体を使わずに発動させることができます。ちなみに他にも魔法陣を媒体としない魔法もあります」


「そのとおりだ。じゃあ、ここで質問だ。媒体を必要としない初級魔法をなぜ、魔術師は魔法陣を使って発動させているか解るか」


「簡単です。初級魔法を安定させるためです。いくら媒体を使わず発動させることが出来ても安定せずに撃ってしまえば周りにも被害が出ますし、魔力が足りず、相手に当たらないこともあるからです」


「そのとおりだ・・・と言いたい所だが、まだ足りないな。他に知ってる奴はいるか」


「それなら私が」


セレーナはそう言うと、立ち上がり説明を始めた。


「たしかに、魔力を安定させることも一つの理由ですが、一番の理由は扱いやすさですよね」


「はい、正解だ。たしかに、安定性も必要だが、実際は魔法陣を描いたほうが数倍早く発動できるんだ。それじゃあ、その原理について説明していくぞ。まず、魔法陣とは一番最初にローゼが説明したとおり、魔法を使うための媒体だ。そのため、水の魔法を・・・・例えば普通に水の塊を撃ちだす《スプラッシュ》の魔法陣に他の系統の魔力を注いでも発動はしない。つまり、魔法陣一つ一つにあった魔力を注がなければ魔法は発動しない。だから、魔法陣の形は属性ごとに変わっている。それは知っているよな」


海斗がここまで説明すると全員がうなずいた。

海斗はそれを確認すると、説明を続けた。


「ここで、最初の初級魔法の話に戻るが、魔法陣は一つ一つ独立しているが、基礎を壊さなければアレンジが可能だ。つまり、魔法陣はその形によって発動する魔法を記憶しているんだ。それに対して魔法陣を使わずに魔法を発動させる行為は、簡単に言えば一から創めることと同じだ。簡単に説明するなら魔法陣で発動させることは、すでに出来ている物取り出す行為に近いな。それに対して、魔法陣を使わない場合はその発動する魔法の魔力量の調節から威力、距離、効果範囲までを全て計算してその魔法を作り出さなければいけない行為だ。そのため、プロの魔術師でも訓練しなければこれをやるのは難しい。失敗例もあって威力を誤って自分の手の中で爆発させたり、効果範囲を間違い仲間を傷つけたなどの例もあるためあまり使えるものじゃないな。だが、ここで問題だ。実は自分で魔法陣を描かなくても初級魔法を安定させ、使いやすくした方法がある。それは何か答えろ」


海斗がそう言うと、エイブが手を上げた。


「それじゃあ、エイブ」


「はい。その方法は別の所に媒体を作るが正解ですよね」


「そのとおりだ。今、エイブの言ったことが解らない奴もいるみたいだから解説をすると、別に魔法陣は魔力で描かなくても服や手袋など、物に媒体を移しても魔法は発動するんだ。そのため、初級以外の緒魔法にも使うことが出来るぞ。しかも、魔力を流すだけだから発動も早い。ただし、自分で魔法陣を作らないため微調整が出来ないため、決まった量の魔力を使わなければいけない。さらに、魔法の効果を変えたりまできないため、ここぞの時はあまり使えないことがある。だから、その場に応じて使い分けれるように考えることが重要だ。さて、次は魔法陣を必要としない魔法について説明しよう」


海斗はそう言うと、懐から一丁の銃を取り出した。


「一つ目は魔道銃から放たれる魔法だ。まず、魔道銃の原理を説明すると、この銃の中にある魔道結晶に魔力を流し、その魔力を魔力結晶が吸収し、濃縮して撃ちだす、と言った感じだ。そのため、魔道銃は流す魔力を変えることにより、効果も変わる。ちなみに魔道結晶は交換することも可能だから、あまりにもランクの低い魔道結晶を使うと、魔力に耐え切れず爆発したりするから使う魔道結晶はなるべくランクの高いものを使えよ。次は・・・ガイ。お前の斧を少し貸せ」


海斗がそう言うと、ガイは無言で斧を渡した。


「少しは発言しろよ・・・・。まあいいか。さて、次は魔装化についてだ」


海斗はそう言うと、斧に魔力を纏わせた。

斧は魔力(風)を纏い、切れ味を増した状態になった。


「これが魔装化だ。主に魔法剣士などがよく使う魔法で、武器の耐久度や属性効果などをつけることが出来る。ただし、これをやっている間は常時魔力を流し続けなければいけないため、長時間の戦闘にはあまりオススメできない魔法だ。次は、ギリギリ魔法の範囲にある錬金術だ。これは魔法陣を媒体とせず、一つ以上の物質を必要としたものだ。例えば・・・」


海斗はそう言うと、机に手を置いた。


「机を媒体としてこうすれば・・・」


海斗の手が置いてある、机の場所からいきなりスパークするとそこ机の木の部分が急に膨らんだ。


「これが錬金術だな。ちなみに今、机の木の部分を錬金術で膨張させた。他にも物質を使って物を形成することが出来る。てか、そっちのほうが正しい使い方なんだがな。っとそろそろ時間になるから今日はここまで。次は魔法陣と魔力の関係についてやるから予習をして来いよ。あと、昼休みが終わったら次は研究室で魔道薬品について勉強するからな。それじゃあ、終わり」


海斗はそう言うと、教室を後にした。

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