番外編 休日のギルド《ヘルパー》その4
マリベルの屋敷に移動した海斗たちは客間でお茶を飲みながら雑談をしていた。
「それにしても何時来てもお前の屋敷はでかいよな」
「まあ、マスターの屋敷だからね」
「海斗も屋敷にすればいいのに」
「でかすぎて俺じゃ管理できないし、メイドや執事を雇う金なんてないし」
「それもそうね」
「フフフ、そうだ、ユウキちゃんはこの後どうするの」
「まだ何も決めてないけど」
「それなら、後でヴァンに街を案内させるね」
「ありがとう。それでマリベルと海斗はどうするの」
「俺とマリベルは薬の研究をする予定だ」
「薬?」
「新種のエーテルを作るのをカイ君に手伝ってもらうんだよ」
「さっき、約束したからな」
「わかったわ」
「それじゃあ、そろそろ行きましょうか」
マリベルはそう言うと、海斗を連れて、部屋を出た。
それから、4,5分ほどが経ち部屋の中にヴァンが入ってきた。
「失礼します。ユウキ様」
「どうも、ヴァンさん」
「マリベルお嬢様からユウキ様を街へ案内するようにと言われましたのでお迎えにあがりました」
「ありがとうございます」
「それでは参りましょう」
優希とヴァンは部屋を後にした。
その頃、海斗とマリベルの二人は屋敷にある研究施設で薬の調合を行っていた。
「おい、マリベル・・・・、本当にこれでいいのか」
「うん・・・・。たぶんね」
二人は調合の結果できた黒くあまり温度が高くないのに沸騰している黒い液体を見つめていた。
「さあ、マリベル。本当にどうするんだ・・・・これ?
ちなみに俺は絶対にこんな薬飲む気はないぞ・・・」
「ハハハ、こんなことなら飲んでも大丈夫そうなシル君も呼ぶべきだったね」
「そうだな。不幸の塊を呼ぶべきだったか。あいつなら飲んでもギャグ補正で生き残りそうだし」
「そうだね。てか、昔もこんな会話してなかったっけ」
「ああ、そうだな。あの時はシルの不幸体質に俺たち5人が毎回巻き込まれて何度か被害が出たけどな」
「本当に今ではただの笑い話になるけど、あの時のことを考えればシル君もそうだけど、私たちよく生きていられたよね」
「あの時は亡霊の親玉に喧嘩売ったり、伝説の魔獣(笑)を倒したり、最終的には秘境を冒険したよな」
「うん・・・・・、本当によく生きていられたよね私たち」
「ああ、本当だな」
二人は自分たちの思い出話を話しながら肩を落とした。
「ああ、なんだろうやる気が無くなった」
「少し休憩する?」
「ああ、そうだな」
二人は研究室から出ると、客間に再び移動した。
そこにはすでに誰もいなかった。
「優希は街に行ったか」
「そのようだね」
「あいつ、楽しんでるかな」
「たぶん大丈夫だよ・・・。それよりカイ君」
「な、なんだよ」
海斗はマリベルの雰囲気が変わったことに気がついた。
「フフフ、久々に体の隅々まで調べさせてよ、へへへ」
「おい、落ち着けよ・・・・」
「大丈夫だよ・・・。痛くしないからね。安心して大丈夫だよ。全てを私にゆだねて」
海斗は貞操などの危機を感じたため、一瞬で魔法陣を展開させ魔法を放った。
「《ボルト》」
海斗は魔法陣をいじり、麻痺能力を高めた雷系統の魔法を放った。
マリベルは避けず、魔法に直撃した。
「はぁ~はぁ~」
「・・・・・ガタガタガタ」
海斗は恍惚そうな表情を浮かべているマリベルに完全に引いていた。
丁度その時、帰ってきた優希とヴァンの二人が部屋に入ってきた。
ヴァンは何があったのか一瞬で理解して、海斗に話し掛けた.
「カイト様、ご無事ですか」
「ええ、なんとか」
「え~と、一体何があったの?」
「襲われかけた。だから正当防衛をした。でも、この変態にはご褒美だったらしい」
「・・・・・・・」
優希はなんともいえない顔になった。
「誠に申し訳ございません。マリベルお嬢様がご迷惑を・・・・」
「いつものことなんで大丈夫ですよ。とりあえず、麻痺効果が強力な魔法を使ったのでしばらくはおきな・・」
海斗が起きないと言おうとした瞬間、マリベルは立ち上がった。
「酷いよ、カイ君、いきなりなんて。まだ準備が・・・」
「おい、あと10分は動けないくらい麻痺効果を強めて魔法を撃ったはずなんだが・・・」
「フフフ、大丈夫だよ。慣れてるから」
『慣れているって何?』
海斗と優希は同時にツッコミをいれた。
「おい、昔は丸焼けにしたり、氷漬けにしたが麻痺は使ったことが無いぞ」
「ああ、シル君が来た時に何回か使われたから、その時に慣れたんだよ」
「・・・・あいつのせいか・・・。いや、あいつも襲われかけたんだ。恨むのはお門違いか」
「とりあえず、ユウキちゃんも帰ってきたことだし、フフフフ」
マリベルは邪悪な笑みを浮かべた。
「ねえ、海斗。殺さない程度に魔法を使っていい?」
「いや、殺す勢いで昔使ったことがあるがありえない回復能力で復活したから殺す勢いで殺っても大丈夫だと思う」
「そう、なら。《エナジーレイン》」
優希は海斗からの許可を貰うと、複数の光の矢を放つ光属性の中級魔法を放った。
もちろん、マリベルは避けず魔法に直撃し、マリベルの周りに小規模の爆発を起こした。
爆煙が晴れるとそこには、ところどころが黒く汚れたマリベルの姿があった。
「・・・・ねえ、海斗。マリベルの体ってどうなっているの?」
「たぶん、漫画やアニメ、小説などでよく見られる変態補正だと思う・・・」
「そう・・・」
「ねえ、海斗、明日の夕飯は何にするの?」
「ああ、それなら久々に・・・・」
「ちょっと、現実逃避するのはやめようよ、二人とも」
マリベルがそう言うと、二人は同時に叫んだ。
『お前のせいだろうがー!!』
その後、マリベルに殴りかかった二人をヴァンが説得しやめさせた。
そして、時間も遅くなったため、屋敷に泊まることになった。
その後が本当に酷かった。
夕食の時はまだまともだったのだが、風呂の時間では優希にマリベルが襲い掛かり、それを優希が魔法で沈めた。
その後、それぞれ部屋が用意され、その部屋でそれぞれ寝ていた海斗と優希の寝込みをマリベルが襲おうとして返り討ちにあうなど様々な事件が起こった。
これが、優希がギルド《ヘルパー》に就職して初めての休日に起こった全てである。
そして、優希は今回のことで一つ学んだ。
それは、『マリベルのような変態属性を持つ人には気おつけよう』ということだ。
次回から学園に戻ります。
過去編の内容が決まりました。
内容は海斗が異世界に来てから、マスターに就任する前までの内容です。
あと、話は変わりますが、私の書いている他の2作品についてですが、結局内容が上手く定まらないため新しく作り直すことにしました。
キャラクターに変更はありませんが、ストーリーは変更する予定です。
2作品の更新を楽しみにしていた方々、誠に申し訳ございません。
ですが、前の作品より読みやすく、面白い作品が出来るよう努力していくので今後ともよろしくお願いします。




