第一章 GAME OVER
ん? なんだここ? 気づくと俺は全く知らない場所にいた。というか空気が違うというか、でも妙に現実感がある。知らない場所というか、知らない世界だった。すると、そこには信じられない風貌の明らかにありえない姿の女性が俺の目の前に舞い降りた。そして、俺にこう告げだしたのである。
「いかがでした?あなたの人生は?」
俺はパニックに陥った。あれ? 俺死んだの?ってか、なんだこいつのふざけた格好は!なんで全裸にオーバーオール着てしかも、背中から羽生えてるんだよ。ふっふふ、俺は騙されねーぞ。これは、あくまで夢だ。どうせ、面白くなってきたところで、夢落ちって展開って決まってんだよ。
「いいえ、これは夢ではありません。それに私のこの格好は趣味でやっておりますので。」
「うおい!心の中読んでんじゃねえよ。変態裸族イカ様天女め。」
「証拠をお見せしましょう。こちらのモニターを御覧ください」
「って人の話聞けや!」
そういうと天使さん?の手の上に丸い水晶のようなものが浮かんだ。そこには、ベットに運ばれた昏睡状態の俺がいた。
「俺、まだ生きてるじゃん。」
「でも、このままだと危ないですよ?あと数時間であなたの脳が死んでしまいます。」
なんだかよく分かんねえが聞くだけ聞いてやるか。
「ほぅ、で、ここにいる俺はどうしろと?」
「あなたは、選ばなくてはなりません。元の世界に戻るのか、新しい人生をやり直すのか、ここで永遠を過ごすのか、を。さらに、ある大会に参加していただきます。そこで、優勝されますと、元の世界、新たな世界に行く、または戻る際、ここで得たものを持っていくことができるのです。」
「な・・・んだと?」
また、元の世界に戻れるのか?・・・・いや、もうあの世界ろくなことなかったしな。まぁそれについては、おいおいと考えるとしてだ。ここで得たもの?何が手に入るんだよ?
「莫大な財産、記憶、権力、などです。あなたは19歳でここにいるため、100から19を引くと81ですね。八十一兆円の大金を現在に持ち帰ること、未来に持ち越すこと、前世の記憶を引き継ぐこと、ここで勝ち得た力を未来に持ち越すこと、現在に持ち帰ることなどいろいろできますよ。」
「なんだ、そりゃ。ほんとだとすればすげえな。でも、なんで俺がここに来れたんだ?」
「あなたが特別だったからです。」
即答しやがりましたよ。この変態天使。
「でも、証拠がねえじゃねえかよ。俺がこうなってるって絶対的なしょ・う・こ!」
「分かりました。」
すると、天使?が俺の腹目掛けて、どこから取り出したのか、ナイフで腹を切り裂いた。
「!!!!!!」
「お腹の中を御覧ください。空洞ですよね。これは、あなたが交通事故で・・・」
「わかったから、もういい、とりあえず俺の腹をどうにかしてくれ。」
不思議と痛くはなかった。だけど、この腹の中を見てるのは気分が悪い。ってかやっぱ、あのときあったことって本当だったんだな。
「ここでは、過去を過ごした時間、即ち現在までを過ごした時間が権力、財力、力、と比例いたします。ですが、ここで努力したことはそのまま、力、結果に繋がりますので心配は無用です。では、健闘をお祈りいたします。」
「え?ちょっと待てって。わ“ああああああ」
天使が飛び立つと同時に、下に穴が開き、俺は落ちていった。