デート否より(2)
新谷のデート?!
若干書き加え、修正しました。
煙が天上に立ちこめる。空調設備の通気孔にゆっくりとその煙は吸い込まれていった。その光景を見ていると時間が止まったような気分になる。店内を照らす照明の明るさがお店を落ち着いた雰囲気に照らし、流れるBGMがその雰囲気を確かなものにする
しかし新谷はこの短時間で起こった出来事のせいで、激しく動揺し、その雰囲気を楽しむことを許されなかった。カラダをアドレナリンが駆けめぐり、座席奥で起こっている展開に目が離せなくなっていた。
新谷は少し前、携帯電話を開き、3つの用件をすませるため電話をかけようとした。3つのうち2つは先輩の山下へ 、もう一つは110番へ
なぜ新谷はそうしたのか?
前者は山下に電話をすれば今の状況がそのまま山下を経由して堤、ジローにそのまま伝わると思ったからだ。1度目の電話はこのこと以外のことで電話をして軽く足らわれたが2度目は、うまく伝えることができたとおもう。2度目と1度目では事態は大きくかわった。伝わらないと困る。
そして後者は人質のためだ。
目の前でナイフを持った人間が人間を羽交い締めにして人質にし、その人間の首元に、ナイフを付き突き立てている。
しかし110番にかける前に、ついさっき新谷はその動作を犯人に静止させられた。
今、目の前で、リアルタイムで起こっていることは、この平和ボケした日本では中々見られない光景ではないか?そして、滅多に体験できないことなのではないか?
と、新谷は恐る恐る自分に疑問をぶつけてみる。
クーラーの寒さが新谷には気にならなかった。