始まりは突然
平凡な日常、つまらない日々。
春休みが終わり新学期。いつも通りの学校生活がまた始まる。桜が散り始めているこの並木道。風が吹き舞う桜の中、俺は通学路を歩いていた。
退屈そうなやる気のない目、猫背な体、重い足取り。ボサボサの寝起き感満載な表情でぼんやりと歩いている。
そこに、見知らぬ顔の同じ制服の女性が桜を見て立っている。
さらさらとした金の髪がなびき、風に乗って甘いフルーツのような香りが飛んでくる。
目を見開き、うっかり見惚れてしまう。
(いかんいかん、遅刻する)
そう思い、横切ろうとすると
女「だんご!」
急な一言。
俺はびっくりした。なんだこいつと思いながら
「遅刻するぞ」
そう言い通り過ぎようとすると、
女「声に出てましたか!?すみません。桜を見てたら団子が食べたくなってしまって、、、」
俺は花より団子が好きなんだな。すらっとした足してるのに食いしん坊か?
そう思いながら、
男「何年?名前は?」
女「3年です!名前は坂本莉菜!あなたは?」
男「2年の清水智和」
素っ気なく答えながら一個上なんだ、でも見たことないぞ?そう思ったがチャイムがなりどうでもよくなった。
俺は彼女を置いて早足に校舎に向かった。
ーー教室に入ると茶髪のチャラチャラと携帯を触りながら近づいてくる友人、渡部敦弘が
「また一緒のクラスだな!」
肩を組んできた。
「またお前のせいで停学になりたくないから、別が良かった!」
「そんなつれないこと言うなよ」
そんな馬鹿話をしながら智和は窓際の席で風を感じた。
俺たち以外はヒソヒソと...あいつと関わるのはやめた方がいいなどと言う冷ややかな声が聞こえた。
俺たちは去年先輩たちに呼び出され追い返したところ先生に見つかり、停学に。
そこからはこの日陰者扱い。
ーーーーー
敦弘「それより聞いたかよ!?三年に金髪美女が転校してきたってよ!」
智和「あぁ、校門前で多分会ったな」
敦弘「どうだった!?」
智和「どうもこうも知らん!興味ない」
敦弘「そんなつれないこと言っちゃって〜、本当はお近づきになりたいんでしょ?」
智和「鬱陶しい!俺はさっさと卒業したいだけだ。」
そんな会話をしていたら、ガラガラと教室の引き戸を開ける音がした。
先生が入ってきていつも通りの日常が始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜放課後〜
終わったしさっさと帰ろ。夜飯どうしようかな?
そんなことを考えながら帰ろうとする智和。
仕事ばかりの父親と二人暮らしの智和は1人で夜ご飯を食べることが多い。
校舎を出て歩き始めると、朝の金髪がまた立っていた。
莉菜だ。
「また何やってるんだ?」
「智和くん!また会ったね。」
「また団子のこと考えてたんか?」
「違うよ!今度はちゃんと桜を見てたの!」
確かに木の隙間から夕日が差す桜。チラチラと舞い落ちている桜。見惚れる理由がわかる。
それを見ていた俺たちは突然、視界が真っ白に染まった。
そのまま俺たちは意識を失った。




