第十七話:運命の選択――契約と愛の重なり(アズリエル・ルート)
1.契約と愛の重なり
ヴィオラは、ルキウスの優越感も、エルヴィンの自由も、ガルムの熱も、シリウスの安寧も、全てを振り切った。彼女が長年、悪役令嬢として戦い続けたのは、使命という名の運命から逃れられなかったからだ。
(私は、誰かの安寧のために生きるには、あまりにも重すぎる魂を持っている。私の使命は、永遠の支配者の隣で、永遠の責任を背負うことでしか、真に満たされない)
そして何より、禁書庫で思い出した前世の契約の断片。彼女の魂は、数千年の時を超えても、魔王アズリエルの孤独を埋めることに、運命的な喜びを感じていた。
ヴィオラは、玉座の間へと向かい、アズリエルの支配を受け入れることを決意した。
2.永遠の契約と孤独からの解放
玉座の間には、アズリエルが一人、静かに玉座に座っていた。彼の黄金の瞳は、ヴィオラが他の誰を選ぶ可能性を考え、深い孤独の影を宿していた。
「ヴィオラ。貴様は、余の永遠の存在だ。余は、貴様の使命を理解し、貴様の孤独を知っている。貴様の自己評価の低さも、誰かのために役立ちたいという切なる願いも、全てだ」
ヴィオラは、玉座へと続く階段を上り、アズリエルの膝の上に、静かに座った。
「アズリエル様。私は、貴方の永遠の契約を受け入れます。私は、貴方の支配と、この世界の永遠の責任を共有する。私の使命は、貴方の孤独を終わらせること」
彼女は、悪役令嬢としての完璧な仮面を外し、前世から持ち越した愛の記憶を込めた眼差しで、アズリエルを見つめた。
「私は、使命と契約によって、貴方の永遠の伴侶となる。その代わり、貴方は私に、誰にも脅かされない、絶対的な権力と、永遠の愛を誓うのよ」
アズリエルは、ヴィオラの揺るぎない決意と、運命的な愛の受諾に、初めて数千年分の孤独が消え去るのを感じた。
「我が永遠の女王。貴様が望むなら、この永遠の契約は、永遠の愛の誓いへと書き換えられる。余の全ては、貴様のものだ」
彼は、ヴィオラを抱き締め、そのプラチナブロンドの髪に、深い愛情を込めたキスを捧げた。それは、前世から待ち続けた、運命の再会を意味していた。




