表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢が救世したら魔王に見初められました【マルチエンディング】  作者: ましろゆきな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/20

第十三話:運命の選択――役割からの完全なる解放(エルヴィン・ルート)

1.役割からの完全なる解放


 ヴィオラは、シリウスの完璧な安寧と、ガルムの熱い本能を拒絶した。


 彼女がバルコニーで流した涙は、「役割を演じなければ愛されない」という自己評価の低さから来るものであり、彼女の魂は、肉体にも社会的立場にも縛られない、根本的な「自己肯定」を求めていたからだ。


(支配も、安息も、本能の喜びも、全てはこの肉体があるからこそ生まれる制約だわ。私の魂が本当に求めているのは、「何者でもない私」を、世界の(ことわり)の根源が肯定すること)


 アズリエルの永遠の支配とは対極にある、エルヴィンの永遠の真理。それは、役者としての人生を終えたヴィオラにとって、最も純粋で、最も恐ろしい選択だった。


 そうであったが、彼女は、肉体を捨てることで、魂の自由を選ぶ。


 ヴィオラは、魔王城の空中庭園、最も魔力の流れが清浄な場所へと向かった。


2.魂の真実への到達


 空中庭園の中心で、エルヴィンは光の粒子となってヴィオラを待っていた。彼の顔は、世界の全ての知識と純粋な慈愛に満ちている。


「ヴィオラ。貴女の魂は、役割という名の檻から、ついに脱出する決意をしたのですね。この選択は、最も勇気ある、純粋な愛の降伏です」


 ヴィオラは、エルヴィンの光の存在に手を伸ばす。彼女の指先が、彼に触れる直前で、迷いが消えた。


「エルヴィン。私は、『悪役令嬢』でも『救世主』でもない、無価値な私を愛してほしいの。そして、私を使命の呪縛からも、肉体の制約からも、完全に解放して。あなたの永遠の真理の中で、私の魂の核だけを、ありのまま受け入れてほしい」


 ヴィオラは、最後の理性の防衛線を捨てた。


「貴女の魂は、使命という重荷を負わなくとも、この世界で最も美しい光を放っています。さあ、全てを捨てて、私の中へいらっしゃい」


 エルヴィンは、その光の体を広げ、ヴィオラを迎え入れた。


 ヴィオラが彼に触れた瞬間、巨大な魔力の波動がヴィオラの全身を貫いた。


 それは、苦痛ではなく、何億年もの重い制約から解き放たれる至上の解放感だった。彼女の肉体は、純粋な魔力の粒子へと分解され、冷たい石の床に倒れ込むことなく、光となって昇華した。


 彼女の魂は、精霊王エルヴィンの世界の(ことわり)と一体となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ