第十二話:揺るぎない安寧の獲得(シリウス・エンディング)
ヴィオラとシリウスは、アズリエルの城を離れ、人間界の片隅にある竜族の隠れた領地へと旅立った。そこは、人間界の陰謀や魔界の支配から完全に隔絶された、完璧な秩序と防御が敷かれた場所だった。
数年後。 竜族の隠れ里に隣接する、陽当たりの良い館があった。
ヴィオラは、窓辺で穏やかな陽光を浴びながら、読書をしていた。
彼女の隣には、常にシリウスがいる。彼は、護衛騎士ではなく、領地の管理者兼伴侶として、ヴィオラの生活の全てを厳密に管理していた。
「ヴィオラ。本日の読書時間は予定通り完了しました。午後は庭園の散策と、栄養バランスを考慮したハーブティーの時間です。そして、領地の魔力結界の点検は、私が貴女の安全のために完了させました」
ヴィオラは、今では彼の几帳面な管理に以前のような苛立ちを感じることはない。それは、裏切りのない、完璧な愛の証明だからだ。
「ありがとう、私だけの騎士様。貴方の完璧な管理のおかげで、私はもう誰の命令も、世界の理も、何も心配しなくていいわ」
ヴィオラは、シリウスの手を取り、その分厚く頼もしい手の甲にキスをして、感謝の微笑みを浮かべた。
彼女の瞳には、悪役令嬢としての仮面はもうない。
あるのは、絶対的な愛の盾の中で、理性と秩序を保ったまま、穏やかに、そして満たされた安息の幸福だけだった。
彼女は、絶対的な愛で守られることにより、自らの理性的な人生を完成させたのだった。
1月16日(金)19:00より、完全新作の連載を開始いたします!
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今回は、婚約破棄から始まる……けれど、ただでは起きない令嬢の物語です。 「辞退します」と言ったはずなのに、なぜか相手が「お断りだ!」と叫ぶ!? そんな、少し意地っぱりでテンポの良いラブコメ展開を目指しています。
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