第十話:獣人の森にて(ガルム・エンディング)
ヴィオラとガルムは、魔王城の権威と陰謀から離れ、獣人族の故郷である、人間の手の届かない手つかずの大自然へと旅立った。
数年後。 獣人の森の奥深く、陽光が降り注ぐ温かいログハウスに二人はいた。
ヴィオラは、華やかなドレスではなく、動きやすい革製の服を纏っていた。彼女の肌は健康的に日に焼け、使命という重圧から解放されたアイスブルーの瞳には、穏やかな温かな輝きが宿っていた。
彼女の傍には、常にガルムがいた。彼は、騎士でも王でもなく、ただヴィオラという番を愛する一匹の雄だった。
「ヴィオラ!見てろ、俺が狩ってきたこの肉は、最高に美味いぞ!今日は愛情を込めて豪快に焼くからな!」
ヴィオラは、彼が興奮して火を起こす様子を、冷徹な分析ではなく、心からの愛情を込めて楽しげに眺めていた。
「ええ。お肉が焼けるのがとても楽しみだわ!」
(ガルム、あなたの愛は、全てをシンプルにしてくれたわ)
彼女は、悪役令嬢の仮面を完全に捨て去り、大自然の温かさと、ガルムの純粋な愛の中で、偽りのない生の喜びを取り戻していた。
ヴィオラの指先には、ガルムが贈った獣人の毛皮を編み込んだ、質素だが温かい指輪が光っている。
彼女は、「悪役」でも「女王」でもない、彼の唯一人の愛する伴侶として、理性を超えた、最も温かい幸福を享受し続けるのだった。
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