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“俺が愛した女は、俺の前世の娘だった!”

作者: 七瀬








俺は夜、ふらっと入ったコンビニで買い物を済ませ家に帰ろうと

していた帰り道、突然! 俺の後から大柄な男にこう言われる。



【グサッ】

『今日はとってもハッピーだろ! お前の人生この先バラ色になるだろうな。』



俺は見知らに男にそう耳元で言われて、意識が遠のいていく。

そして俺が次に目を覚ますと? 体が急に小っちゃくなってある女性の

お腹の中に、俺の魂が入り込んでいった。



・・・そして次の瞬間!



【ウギャーーウギャーーウギャーー】

『“お母さん! 元気な男の子が産まれましたよ。”』

『男の子だー! 念願の男の子が産まれたぞー!』

『どれどれ? オレがお前のパパだぞ!』

『もぉ~早速! 親バカぶりが出てるわよ。』

『オレとシマの念願の息子だぞ! 喜ばずにいられるか!』

『そうね、上の子は3人共女の子ばかりだしね!』

『これで! オレの跡継ぎがデキたんだ! シマもこれで肩の荷が

下りたよな! 母さんからの嫌がらせもこれでなくなるよ。』

『そうね、これで私も一安心だわ!』

『あぁ!』






・・・どうやら? 俺が産まれてきたところは?

今まで俺以外に子供が居るが、女の子ばかりで! どうも今俺の前に居る男の

跡継ぎが欲しかったらしい。

しかも? 俺を産んだこの女性は、男の母親に“早く男の子を産みなさい”と

口うるさく言われていたのだろう。

だから? 肩の荷が下りたと安心した顔をしていたのか。






 *






そして俺はスクスク成長していき、小学校に上がる。

そこで、“まさか俺の前世での娘と出逢う事になったんだ!”

これには、俺も想像をしていなかった事だった。

しかも? 俺の前世での妻は、俺が亡くなった後、俺の後を追って

何処かのマンションの14階から自殺を図ったらしい。

前世の妻は、即死だったと娘から俺は聞いた。

娘は今は、“俺の前世での父親と母親に育てられているらしんだ!”




『“アズナは? お父さんとお母さんが居なくて寂しくないの?”』

『そりゃ~寂しいわ! でもね、その分! おじいちゃんおばあちゃんが

私を可愛がってくれてるの! 私はそれだけで十分幸せよ。』

『アズナは強い子なんだね!』

『ママが言ってたんだけど? こういうところは亡くなったパパによく似てる

って言われてたの!』

『・・・そ、そっか、パパ似か!』

『なんだか奏、本当のパパみたいだね! 奏がパパだったらアズナ嬉しいん

だけどな。』

『・・・・・・』




この時の俺は、“何度も何度もアズナに俺がお前の本当のパパなんだよ”って

言いたくて、その都度俺は口をギュッと絞り、言葉を飲み込んでいた。

娘と同じ歳の男の子が、“お前のパパが今! 目の前に居るんだよ”って言って

誰が信じるのか?

頭がおかしくなったとしか思われないだろう。

俺は娘に本当の事は何も言わないと心に決める!



・・・ただ、娘と出来るだけ傍に居れるように俺は娘と距離を縮めて

“娘の親友”になる事に決めたんだ!

これで、俺はいつでも娘の傍に居られる。







 *





でも? 月日が流れていくのは早いモノで......。

俺も19歳になり、いつの頃からか? “俺は娘を心から愛していた。”

それは! “娘としてではなく、女として俺は娘を見ていたんだと気づく。”

俺と娘が成長していく中で、娘は初恋もしていたし、恋人も何人か居た!

俺はそれを見ているだけしかできず、ただ娘の幸せを見守っていたんだ。




でも? もう耐えられなくなって、とうとう俺は娘に【告白】してしまう。

娘も俺の事をいつの頃か? “好きになっていたと打ち明けてくれた。”

俺はこれで良かったのか? 娘と付き合った今でも考える事があるんだ。

娘の家に行けば? “おのずと俺の前世での両親が居て、俺は心から安心

してこの家に来ることが出来た。”




それに? これは娘には内緒の話なのだが、、、。

俺の前世での父親と母親は、俺が亡くなった前世での息子ではないのかと

ずっと思っていたらしい。

俺は父親にコッソリと俺が二人の息子で、今は生まれ変わったのだと

話していた。

そして俺が娘を心から男として愛してしまった事も父親に先に話していた。




『ごめんね、父さん母さん! 俺は一体? なんてことをしてしまったんだ!』

『いいのよ、もう貴方は別の家の子供としてまた生まれ変わってきてくれたん

だもの! それに今は血の繋がりもないのよ、あのを男して好きになっ

てもいいじゃない!』

『そうだ! それにあのは、亡くなった凛さんにそっくりだしな!』

『・・・と、父さん母さん、』

『“自分の信じる道を進みなさい!”』

『うん!』







・・・俺はこうして、“前世娘だった女性と結婚した!”

俺は前世娘だった女性と結婚したんだ!

俺と娘との間には、可愛い女の子が産まれた。

娘は満面の笑みで産まれたばかりの我が子を抱いている。



俺はこう思う!

“この女のむすめもまた、前世誰かの子で、こうやって産まれてきた

のかもしれないと、、、。”


・・・まさかだが? 俺の前世の妻じゃない事を祈るばかりだ!


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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