老け顔令嬢ラミアの愚痴
私、ラミア・スローヴァーは断じてブスではない。
……と言っても美人というわけでもないのだけど。
じゃあ一体何なのか。
そう。題名にもある通り老け顔なのである。それはもうすごい老け顔だ。認めたくないけど。
両親曰く、私の顔と体型と空気感がちょうど一児を産んだ母のようらしい。
くっ、若く見られる人って羨ましいね!!
そんなこんなで前置きは終わり。
別に誰かに見せるつもりもないけど、まぁ自由帳だしいっか。さぁて愚痴でも書きますか。
◇◆◇
昨日の夜、パーティーがあった。昨日のパーティーはイケメンで有名なカナン次期伯爵が来る予定だったから私もわくわくしていたのだ。
イケメンをただで拝めるなんてなかなかないからね!
で、両親と共に受付に並んでいたが途中で両親が知り合いを見つけたとか言って私だけで並ぶことになったのだ。
そこまではいい。
そして私の一つ前に一人で並んでいた同い年ぐらいの女の子が受付に行った。
そして、何か話しているかと思うと受付の人が突然私の方を見てきて、
「ですからよろしくお願いしますね」
と言ったのだ。
こちらからすれば、は?である。そして次は私の番だと思っていたら、受付の人が私をスルーして後ろの人と話し始めたのだ。
は?である。
何?絶対私を前の人の母だと勘違いしたよね?
マジ意味分からんのだけど。もう許さぬ。ほらね。女の子も困惑してんじゃん。
あ~、昨日のことなのに思い出したら腹が立ってきた!
極めつけに、一つ。
勘違いされて入った会場には、既にカナン次期伯爵様がいた。まぁそれはもうイケメンだったさ。
で、私が近くを通ったときうっかりドレスの裾を踏み転びかけたのだ。
それを優しくキャッチするカナン様。
イケメンだよね!!
もう惚れそうだったね。惚れる3秒前だったね。あの一言がなければ。
「大丈夫ですか?マダム」
は?である。マダム?舐めんじゃねぇぞ。レディーと呼べ。レディーと。私はまだピチピチの十七だっつーの!
もう、本当に信じらんない!
こんなこと普通ある?!
絶対に許さないんだから!!
おっと、ちょっと取り乱したな。まぁ愚痴に取り乱すも何もないか。取りあえず昨夜のことは許すまじ。
なお、絶対に許さないんだからってラブコメとかで見るが、老け顔にも適用するのだろうか?
解明求む。
読んで頂きありがとうございます。
実年齢より若く見られるって良いですよね。