第5話 10組=敗北者
「葵なのか?」
自信無さがで彼女に尋ねた。
「覚えてくれてたね。お久しぶり、神谷くん。」
「久しぶりだな葵。6年ぶりぐらいか?またどうしてこの学校に?」
「ふふぅ。そんなことより早く行かないとHR始まるよ」
「そうだな。また近いうち話そう」
誠は慌てて自分の教室に向った。
「まさか、誠くんがこの学校に居るとは思わなかったわ。それにしても10組だなんて。何かしたのかなぁ?」
そう考えながら彼女も自分の教室に向かった。
教室に入ると綸と花丸は既に到着していおり、誠以外の人は着席していた。
「遅いぞ誠。もうHRが始まるから、早く席に着け」
「お前なぁ。オレだけ掲示板で確認させやがって!クラス知ってるなら教えろよ」
「クラスの知らない様な奴がギリギリに学校に来るのが悪い。前もって確認するのが常識だろ」
話が論破されて何も言い返す言葉がなかった。
綸はこう見えて、かなりの頭脳は成績は常に上位なのだ。
「でもマルもクラス知らなかったよ。ごめんね綸くん」
突然の花丸の謝罪で冷や汗が止まらない綸。
場も冷たくなり緊張感が高まった。
綸は頭はいいのだが自分の意見を直ぐに言ってしまう癖(誠だけ)があるのでいつも誠と居る花丸も対象になってしまう。
「いや、花丸ちゃん。違うんだ!これは全部誠が」
「何でもセイの責任にしないで」
余計な事を言う綸に、花丸が悲しげに訴えた。
ガラッ!
ドアが勢いよく開いた。先生のお出ましだ。
「私がお前らの担任になった佐藤亜美だ。」
美貌でありながらも言葉使いが荒々しいかった。
「お前達にこの学校のルールを3つ。教えておく」
「一つ。3年間このクラスメイトで学園を過ごしてもらう」
「二つ。私達先生は生徒達の意見を最優先する。ただし問題のある者はこれを除く」
「そして最後だが、能力での実力行使を認めるものとする」
「これは全て五大都市の完全ルールを元にして考えられた。それによってクラスによって順位付けもされている。お前達10組は最下位、負け組、、、敗北者と言う事だ」
華やかな学園生活を胸躍らせていた誠の気持ちはここにはなかった。と言うより忘れていたのだ、能力の事を、何よりここが五大都市の一つ東京大都市にいることを。
繁忙期で中々あげられなかった。