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マイナス同士は惹かれ合う  作者: 斑目紫音
第1章 それは雪が溶けるように
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第5話 秋と春の関係

初めましての方ははじめまして。

いつも見てくれている方はまた会いましたね。

斑目です。

今回は第1章の最後というわけで、椛と雪子先輩の関係についてのお話です。いつもの様に、ここではネタバレになるので、またあとがきの方で。

では、お楽しみにください。

 あれからさらに2週間が過ぎた。


 桜はほとんど散り、紫陽花がちらほら咲いてきているのが分かる。そう、梅雨だ。


 ジメジメしていて、多くの人は好ましくないであろう時期だ。


 だが僕の気分は既に夏だ。溢れるようなこの幸福感!あぁ、神よ、僕は今まで生きてきた中でとても幸せだっ…!!


「……兄ちゃん、最近うごきがきもいよ」


 ーーその言葉は蛞蝓(なめくじ)に塩をかけるくらいには残酷だった。


「実の妹からのきもいがこれほど効くとは…。楓、もしかして反抗期なのか……?」


「別にぃ…そんなんじゃないよ。最近春田先輩と楽しそうだから、春田先輩と何かあったのかなーって!」


「いやぁ、それはだって僕は雪子先輩とーー」

 ここまで発言し、僕はふいに言葉を止める。


(……そういえばまだ楓に雪子先輩と付き合っていること、報告してないな…。)


「春田先輩と、何?」


「実はな楓。僕と雪子先輩はーーー」

 覚悟を決めて、全部話そうとした時だった



 ピンポーン


 インターホンの音が家の中に響いた。


(…空気が読めないインターホンだな……。多分楓がamizoneで注文した物だろう。)


「僕が出るから、楓は座ってて。」

 こう楓に伝え、玄関へ向かう。ドアを開けるとそこには

 私服姿の雪子先輩がいた。


「……雪子先輩?どうかしたんですか?今日は日曜日ですよ」


(この前倒れた時、雪子先輩の家に忘れ物でもした

 のだろうか…。)


 急な客人の登場により、僕もそしてリビングから見ていた楓もひどく驚いている。


「まぁ、どうぞ。あまり綺麗ではないですが」

 雪子先輩にモフモフの猫のスリッパを渡す。


「ありがとう。可愛いスリッパだね。椛くんが選んだ……わけはないよね…」


 …うーん、さらっと今僕disられたのかな?


 そんなことは置いておいて、だ。とりあえずリビングで詳しく話そう。


「どうぞ、あ、今お茶入れますんで、座っててください」


 僕はお茶を3人分入れ、楓と先輩に渡した。



「あ、楓、それ、いつもより熱いから」

 ……少し遅かったようだ。楓が僕の方を睨んでいる。

(……すまん、妹よ…。)


「楓、少しぬるくしてやろうか…?」


「言うの…おぞいよ……。舌がヒリヒリするから、冷やしてくる……」


 舌を気にしながら楓は洗面所の方へ向かっていった。……ほんとにごめん。楓。


「楓ちゃん、猫舌なんだね」


「そうなんです。僕としたことが完全に忘れてました…兄失格ですね…僕は……」


「ううん、そんなことないよ。誰にだって失敗はあるよ。だから、気にしないで。私が言うのもおかしい気がするけど…ね」


 雪子先輩はお茶を1口飲んだあと、僕を慰めてくれた。


「あの、先輩。僕もう1つ言わないといけないことがあるんですけど、今言っても大丈夫ですか……?」


 雪子先輩は顔を傾げながら大丈夫と答えた。


「実は僕、まだ楓に先輩と付き合っていること言ってないんです……。実はさっき楓に付き合っていること伝えようとしたら先輩がちょうど来て、それでなかったことに…」


 雪子先輩は少し悩んだあとに決心したようだ。


「それなら、楓ちゃんが戻ってきたら2人で伝えようか」


「そう、ですね」




 楓を、待つ時間。それはとても長く感じた。


 *



「いたたた……まさかあんなにお茶が熱いとは……。でもまぁ、問題は無さそうだし。大丈夫か!」


 何事もなかったように楓はリビングまで戻る。


「もうっ、兄ちゃん!ひどいよ!あんなに熱いならもっと早く言ってよね〜!!」


「ご、ごめんな。楓。それとな、楓に言わないといけない大事なことがあるんだ」


 いつもとは全く違う声のトーンだ。それだけお兄ちゃんは大事な話があるんだ。と一瞬で把握する。


「その大事なことって…?」




「実は、僕と雪子先輩は付き合っているんだ」


 その言葉を聞いた直後、私の失った過去の記憶が一気に流れ込んできた。


(あ、頭が……割れそうな…くらい…い、痛い…)



 嫌だ。私は…っ…こんな記憶か…っなんか…!!





こんにちは。斑目です。いかがでしたでしょうか。これで第1章、春田雪子編は一旦終了です。

ですが、雪子先輩の負はこれで解決したわけではありません。

つ ま り

また別の章でメインキャラとして登場します。

あ、別に他の章にもきちんと出てきますよ。

なんせ主人公の彼女ですからね。


さて、話は変わりますが今回のお話。ここまで読んだ皆様なら次の章のメインキャラクターはもう察しがついているのではないでしょうか。


そうです。我らが秋野楓ちゃんです。

彼女の負は一体なんなのでしょうか…。

ここで少し説明なのですが、楓ちゃんは昔の記憶を失っているんですよね。(←これ実は裏設定です。)

活動報告の方に楓ちゃんの紹介をしていますので、そちらを参照いただければわかると思います。(身長や誕生日もありますよ…!!)


というわけで、第2章。お楽しみに。


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