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マイナス同士は惹かれ合う  作者: 斑目紫音
第3章 日は常にノボリクダリを繰り返す
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第20話 夕凪夏葵は突然に

第3章始まりました。また、よろしくお願いします。

梅雨のシーズンはとっくに過ぎて、一学期の終わりが近づいてきた。


つまり、テストがあるということだ。


テスト自体に何か問題があるという訳では無いのだが……


「え? なんでこの答えになるん? あきのん、ヘルプ!」


彼女の名前は夕凪(ゆうなぎ)夏葵(なぎ)

中学がたまたま同じの同級生である。


現在時刻は16時を過ぎたばかり。


教室にいるのは僕と夕凪だけ。


……このテスト、夕凪の赤点回避が大変なのである。


「……ちゃんと授業聞いてた?」


「もちもちのお餅! 夢の中でだけどね!!」


こいつがなんでこの学校に入学できたのか不思議だ。

なに? 裏口から入ってきたとかそんな感じ?


「バカ野郎、このままだと楓と一緒の学年になる可能性だってあるんだけど!?」


「アハッ! それもありかもね〜!」


……冗談なのか本気なのか分からないから恐ろしい。


「とりあえず、暗記科目やっといて。量をこなせば力になるはずだから」


「オッケー! あっ、扇町(おおぎまち)呼んどくね〜」


「了解。じゃ、ちょっとロッカーに教科書取ってくるから」


「ほいほーいっ」


夕凪は黙々と参考までに配られたテスト対策用紙(生物)を解き始めた。



現在時刻は17時前。そろそろ日が暮れる頃だ。

空には、まだまだがんばれると言わんばかりの太陽。

教室には、もう無理だと疲れ果てる夕凪。


……いや、逆だろ。


「だぁぁ〜もう疲れたぁぁぁ! 扇町(おおぎまち)まだ来ないのぉぉ!?」


静寂の中、ただ一人夕凪の声だけが響く。


もうすぐ彼は来る。

そう僕の中の僕が伝えている。


……あっそれ、アキノだ。てか、最近アキノと話してないな。


「わりぃ、遅れた!」


勘(?)は見事に的中。それと同時に夕凪が声がする方を見る。



教室のドアをガラガラと開き、息を切らせたヒーローの登場だ。


彼の名前は扇町(おおぎまち) 一夏(いちか)

小中高が同じのレジェンド・幼なじみ。


面倒見が良く、ルックス良し、成績良し。


もはや僕達のオカンと言っても過言でなはい。


「部活……はテスト前だから休みか。そしたらなんで遅れたんだ?」


問題集を解くペンを置き、一夏の方をみる。


すると、2冊のノートを持っていた。


「……()()()()()。」


「あぁ、例のアレか。」 「うげぇ!? またアレやるの!?」


中学の頃からしていたいつも通りに、絶望する声と確信した声が入り混じった。


「扇町特製! テスト前対策ノートだっ!!」


こう言うと、一夏は僕と夕凪にノートを渡した。


1ページ目を開くと、目次が書いてある。


1〜6 第1回用テスト対策


「相変わらず凄いな、これ。」


「今後も使うから、テストが終わったら返してくれよな」


100点満点の笑顔で一夏は笑う。


「嫌だぁぁぁ……帰りたいよぉぉぉ……」


……それに対して100点満点の絶望した顔の夕凪。


「大丈夫。わからない所は俺が教えるからさ。 な?」


「あっ、僕も聞いてもいい?」


なんかムードをぶち壊したような気がしたが、気のせいだろう。


「オッケー。分からなくなったら聞いてくれ!」



その後、一夏が夕凪に教えることを苦戦したのは言うまでもない。

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