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マイナス同士は惹かれ合う  作者: 斑目紫音
第2章 梅の季節に咲く楓は儚く散る
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第18話 桜木薫は大人げない。

無事に楓が目覚めて、ほっとひと安心。

かと思いきや、桜木薫が話があると埃まみれの部屋に連れていかれ、手伝いを半ば強制的にやることになった秋野楓。


そして、2本のコーヒーを求め、世界の命運を賭けた勝負へとーーー!?(大嘘)


第18話、桜木薫は大人げない

はじまります。

眠気がピークまで来ていたので、一旦(かえで)のいる病室まで戻り、楓と少し話をした後、コーヒーを取り再び桜木(さくらぎ)さんのいる部屋に戻る。



「遅かったじゃん。何してたの?」


「いや…眠かったんで、コーヒーを取りに楓のところに取りに戻ってたんですよ」


両手にはカフェオレとブラックコーヒー。


何故僕がこれをチョイスしたのかは分からないし、はっきり覚えていない。


恐らく、桜木さんがブラックを飲むであろうと予想して買ってきたんだろう。


「これ、もしよかったら、ブラッー」


既に2つあるコーヒーの1つが僕の手から消えていた。

そう。僕の手に残されたのはブラックである。


……なんでやねん!


「えっ、ブラックじゃないんですか。」


「あれ?悪い話の1つに私がブラック飲めないの言ってなかったっけ?」


驚いた、まさか飲めないとは。


「……見た目からして、煙草(たばこ)とお酒とブラックコーヒーが好きそうなんだけどなぁ…」


「あ…それ全部無理なんだよね〜。」


「まぁ、煙草と酒はあまり健康にも良くないですし、いいことじゃないですかね」


そんなことより、この片手に残されたのブラックコーヒーをどうするかの方が今は大切だ。


「…ちなみに、僕もブラック飲めませんけど」


ちらっと桜木さんの方を見る。

「男の子なんだし、ファーイトッ!」


バチーンとウインクをし、カフェオレは譲らんという固い意志が透き通って見えた。


……苦い。


味覚もまだまだ子どもということを再認識し、桜木さんが大人げないということも記憶しておこう……。




日は更に昇り、正午頃を迎える頃。

桜木さんは部屋の掃除に集中している。


……今掃除するなら前からやればいいのに……。


そんなことを本人に言うと面倒くさいことになるのでそっとしておく。


触らぬ神に祟りなしとはまさにこれのことだ。


ちなみに僕は今、部屋にあった資料を見ている最中である。


「あっ、なにか分からないことあったら聞いてね?」



「わかりました」


ペラペラと資料をめくる。


そこには、負症候群で得られる能力等について書いてあった。


過去の例からは、未来予知、物質変化といった日常生活で決して交わることの無い世界の話をしているのかと不安になる程だ。


なら、楓の能力は一体何なのだろうか。


「…楓の能力って、どんな感じなんですか?」


ピタリと桜木さんの動きが止まる。


「…さぁ?今のところはよく分からないかな…」


曖昧な答えが返ってくるのは当然だ。なんせ、楓が目覚めてからまだ一日も経過していないから。


「そうですか…。あっ、あと楓はいつ退院できそうですか?」


話を大幅に変更し、ごく普通の会話に戻す。


「このまま特に問題がないなら、明日には出来ると思うよ」


「そうっすか」


「あーっとね、退院のことについてなんだけどー…」


「何か問題でもあったんですか?」


「あ、いや別にそういうことではないんだけども…」


いつにもなく言葉が有耶無耶な感じだ。ここはきちんと理由を聞いておかなければ。


「はっきりと言ってもらって大丈夫です」


「そう?なら…()()()()()()2()()()()()()()()()()()()と…」


「……通院的な感じですか?」


「そうそう!よく症状の内容が分かってないからね。」



「…わかりました。楓に伝えときますね」


会話はここで終了し、再び部屋に沈黙が訪れる。


この束の間の沈黙は、あと3週間もすれば蝉の日中コンサートが始まり、無くなるだろう。


……流石に、3週間もここに居続ける訳では無いんだけどなぁ…。


窓から見える水たまりを見ながら、またペラペラと資料をめくる。

お久しぶりです。


2週間?ですかね。急にお休みを頂いて申し訳ないです。


Twitterの方では先に理由を述べさせてもらったんですが、引っ越しをしていまして。あ、もう完了したので休むことはないんですが。


また、連載を再開しますのでよしなに。

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