第10話 向日葵の本当の気持ち
更新が遅れて申し訳ないです…。
今回で楓の記憶の中は終了です!
えーっと、以上です!
あれから特に何事もなく4月5日、4月6日は過ぎた。そして…今日が問題の4月7日。
外の様子は、曇っていていつもより暗い風景だ。
「本日4月7日は全体的に雨が多いでしょう」
朝食を食べた後、テレビをつけて天気を確認する。
「きょうはあめかぁ…おそとであそびたかったんだけどなー」
「…なら、今日は私が考えたお話をしてあげる!」
「ほんと!? やったー!!」
(…3日間、過去を過ごしてきて私の昔の記憶は半分ほど戻っている。)
でも……私は…まだ両親の事が思い出せない。
どんな人だったのか。どんな声だったのか。
思い出したくても、思い出せない。
(…この気持ちがどれほど悔しくて、悲しいか。
それを言葉にして、過去のこの子に伝えるんだ。)
……たとえそれがこの子達に伝わらなくても。だ。
「それじゃあ始めるから座って〜!」
*
「それは、とある仮面を手に入れた女の子のお話」
「その仮面はつけている時だけ、真実の自分を知ることができるという摩訶不思議な仮面」
「その女の子は、昔の記憶がありませんでした」
「パパやママの顔や声も…。名前も…」
「ですが、その女の子はその仮面をつけることはありませんでした」
「なぜならそれは……」
「ーーとある王子様が桜の大樹の下で女の子にこう言ったからでした」
「僕は…君と一緒ならそれでいいんだ」
「その言葉を聞いて女の子はある決意しました」
「過去の私は私。今の私も、私なんだ」
「だから、私は今を生きる。過去の記憶に囚われずに」
――――――――――
「…おしまい。えへへ、ちょっと難しかったかな?」
「なぁ。かえで、ちょっとのみものとってきてくれないか?」
「……?わかった。おちゃでいいよね。」
椛はうなずく。
「ねぇ、おねーちゃん、このおはなしのだいめいはなんていうの?」
「んー。これはねー、仮面の少女ってお話だよ」
「ぼく、このおはなし、わすれないよ」
とても表情はとても真剣な顔だった。
その顔は幼いながらも、どこか今の兄を彷彿とさせる。
「…うん。忘れないでね」
「あ。あと、最後に!妹ちゃんをしっかり守ってあげること!」
「…おねーちゃん……帰っちゃうの?」
「えへへ……。私の居場所を思い出したからね!」
「……約束だよ。これからどんなに辛くても、諦めて逃げちゃダメ。辛くなったら私の物語を思い出して…ね?」
「ぼくは…ぼくは、ぜったいにかえでやみんなをまもるせいぎのヒーローになるから!!」
「そっか!じゃあそんな正義のヒーローさんに最後のお願いだよ。この紙をおばあちゃんに渡しておいて!」
(……じゃあ、またね。お兄ちゃん。)
……仮面の少女の続きはこの世界のお兄ちゃんに任せたよ。
こんにちは。斑目です。
いつにも増して適当な前書きで申し訳ない…。
さて、今回のお話ですがついに楓ちゃん、自分の過去の記憶を取り戻すことができたようですね。
(ご両親のことは思い出せてませんが…。)
次回からは楓ちゃんがこの夢を見ていた時、椛は何をしていたのか。というお話です。
お楽しみにっ!!