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矯正人間  作者: 後藤広海
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犯行声明

 社会適応障害者や発達障碍者など、表の社会で生きていけない特別な事情を持った人間が、“人権”と引き換えに、自らの脳に電子チップを埋め込まれ、体は徐々に機械化され、人間性を失いつつ、社会を影で支える就労者として生きる。


 それこそが、私の見出した唯一の逃げ場だった。



 この社会には少数ながら、確かにいる。

 人権、生存権と引き換えに、人間であること、この社会から解放されるのであれば、その方が良い。と思う人。

 この社会で“普通の人”であることに、“まともな人間”を演じることにもう疲れた。という人。


 普通に話せない。

 ちゃんとしたリアクションが取れない。

 空気が読めない。

 動きが悪い。

 相手が求めていることを上手く理解できない。

 自分で考えられない。創造出来ない。

 他人と価値観を共有出来ない。


 だから地下で生きる。半AIとして、社会で生きる“普通の”人間に奉仕するIoTとして。


 

 この国では、障害者雇用促進法において、一定の割合の障害者を雇用することを義務付けていて、これを満たさない企業からは納付金を徴収している……から、私たちのような半AIを雇用することで、一部の企業は効率よく雇用義務数をクリアしている。

 彼らに一体どのような仕事をさせているのか……それは外部の人間は知らなくていい。


 この、LAST CRIMEは私たちのような半AIと化した障害持ちの就労者の一部を、犯罪対策に利用しようと計画している民間の警備会社だ。

 スカイ・アイランド運営委員会に選ばれた優良企業で、富裕層限定の警察的立場をとっている。

 

 だから今回の事態も、独自に捜査する必要があるとして緊急のセッションを告知したのはいつものことだ。


 私のような存在がセッション

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