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絶望都市 第4章「無限」  作者: Carmilla
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第8話 未来

俺は心音を他の誰かと帰るように連絡を入れた。

こいつ、倉西がここにいるならあいつが襲われる事はない。

とりあえず、倉西を縛り上げ近くの川まで行く。


───17時45分。

「あ、朝日くん!僕を殺したら元に戻れないんですよ!?それにバレれば警察に───。」

「捕まらねぇよ。」

この川は流れが強く、落ちれば流されるのは間違いない。

その上、自然の構造か工事の跡なのか。

地下のような穴がある。

そこに入ってしまえば死体は浮かない。ただ消えるのだ。

この辺の監視カメラもチェック済み、全てを回避してここまで来た。

証拠がない。


お前には感謝も一応してる。お前が崩したとはいえ、色んなことに気付かされた。

本多の本心に、心音の優しさ、それと……霧島の気持ち。

だから、無言で落としたりはしない。

「ありがとう……じゃあな。」

そして、俺は倉西を突き落とす。


その日はそのまま帰宅し、食事をして、風呂を済ませ、眠りにつく。明日が来ることを信じて。




───7時12分。

早く……起きたのか。時計を見る。

"10月27日"。

来れたのか、今日に。

長かった、26日という昨日が言葉にならないほど長かった。


───8時00分。

いつもより早めに出た。今日ってのは何度も来るが、その今日は1度だけだ。

その1日を変えるのは、少しの変化が重要なんだ。

『反復』っていう非日常的な力による不幸のおかげで、俺は大事な事に気付けた。


教室に入ると霧島がいた。

「朝日くん!?お、おはよ」

俺を見て少し驚いたが、そのままいつもの霧島に戻った。

けど、そんな霧島も終わりだ。

「なぁ、霧島……。俺と付き合ってくれ。」


「……っ!?……はい。」

彼女は涙を流しながらも、満面の笑みでそう答えてくれた。

そんな彼女を抱きしめる。

回数があったとはいえ、俺はあれに頼り続ければ霧島の全てを知ろうとしただろう。

けど、それに意味はない。

答えがわからない、けど自分で変化を起こす。

答えがわからないからこそ、人は不安になる。

不安になるからこそ人は幸せってのを手にする事が出来るんじゃないかなって俺は思う。


これが俺の長いようで短い、繰り返される今日の物語。


×××


──────研究都市005、研究内容「反復」研究結果……報告なし。研究失敗。


×××

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