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絶望都市 第4章「無限」  作者: Carmilla
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第6話 犯人

───俺はどこで間違えたのだろう。

なぜ、この時間家を出て、この時間になっても妹が……鈴が帰ってこないという変化が起きてしまったのだろう。

いや、わかってる。料理の量が増えたのが原因だろう。材料……いや、調味料が切れた。

そう考えれば自然だ。

いや、待てよ。それ以前に何かがおかしい。

何もおかしくないはずだ。鈴は17時半くらいに家を出たんだ。誘拐犯(・・・)に襲われたんだろう。




───誘拐犯(・・・)

今回の今日には誘拐犯は発生していない。俺と霧島が付き合っているのに、一体何が引き金になっているんだ?俺の変えようとしてる今日に何が起きているんだ。


「……くん!」

誰かが呼んでる……。この声は…霧島。

バチンッ!いきなり右の頬に衝撃が走る。

「……っ!」

何が起きたのか、と我に帰る。

そこには目に涙を浮かべる霧島の姿が。

「朝日くん!何してるんですか!ショックなのも……わかります。けど、今するべきは無事を信じて探しに行く事ではないのですか!?」

霧島の言葉に目が覚める。俺は何をしてるんだ、妹を探しに行かず、彼女にこんな顔をさせ、友達にも迷惑をかけてる。

「朝日くん……大丈夫です。私たちも、その。いますから。」

霧島は俺の目を見て精一杯の笑顔をくれた。

「鈴ちゃん探しに行かないとね!」

「親友の妹なら俺の家族でもあるってな!あれ?違うか?」

本多……最後のそれ言わなければいい感じにおさまったぞ。

「みんな、頼む。鈴を……妹を探すの手伝ってくれ。」

「当たり前だ。」


全員で手分けをして探しに出た。


───21時15分。

父から電話がきた。

「もしもし?どうかした?」

俺はすぐに出る。

「あ、えーと、光?そのな、鈴が、帰ってきた、ぞ。」

なんで、そんなに途切れ途切れなのかわからなかったが、俺は「わかった」と、電話を切り。

もう時間も遅いからみんなにも連絡を入れ、各自帰宅するように伝えた。


俺は自宅から近い位置にいたから、五分足らずで帰って来れた。

家の前に黒いゴミ袋が一つ置いてあった。

"プレゼント"と、書かれている。

一体なんだろう、と思い俺はその袋をあけると……。

「……っ!?」

バラバラに刻まれ詰められた鈴の姿があった。

「な!?と、父さん!」

俺は家に駆け込む

「す、鈴が!鈴が…そ……とで。」

血の飛び散るリビング、そして動かない父。

どういう事だよ。なんでこんな事に。

俺は、気が付いたら外へ逃げ出していた。

少し走ると、そこには倉西の姿があった。

「何か、あったのですか?」

俺は1通り説明し、倉西に頼む。

「お願いだ。俺を今日に帰してくれ。」

「はい、では握手を。」

そのまま、俺は家に帰り何も見ないようにしながら自室で眠りについた。


───7時20分。

今日……か。

大体目星はついた。霧島を彼女にしない。本多から関係を聞いたりしない。

ほとんどを本来の今日として生きてやる。

心音も、本多も、鈴も誰も死なせない。

ただな……。




『復讐はしてやるよ。俺はお前を許さない。』

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