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絶望都市 第4章「無限」  作者: Carmilla
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第5話 愚策

───7時20分。

対策は考えてある。心音が最初に死んで、次に本多がやられた。

そして、霧島までも危険な目にあった。ならこの3人を誘って夜の時間帯まで、俺の家で勉強会をすればいい。

勉強会ってのはこの3人を集めるのに最も適した理由だと思った。

もう、誰かが犠牲になる姿は見たくない。

そう決心しリビングへ。

リビングに着くなり、俺は鈴に

「今日、友達を3人家に呼ぶんだ。夜ご飯も食べるかもしれないからよろしくな。」

鈴は「えー!」と言った後、頬を膨らまし

「もう!そういう事はもっと早く言ってよね!……まぁ、わかった。準備しとくね。」

「あぁ、助かる。ありがとう。」

その後いつも通り、父と鈴が出るのを見送った後、俺も学校へと向かう。


───8時30分。

本多に肩を組まれる。

「よお、朝日!」

「おはよ。本多。それで今日なんだけど俺の家で勉強会しないか?」

本多は間の抜けた顔をした後

「おぉ?勉強会?何かあったのか?後、他のメンツは誰呼ぶんだ?」

「心音と霧島を呼ぶつもりだよ。」

「俺、お邪魔じゃねぇか?」

本多は少し笑いながら言う。

「そんな事ねぇよ、むしろ男1人じゃいにくいよ。」

そう言うと本多は「それなら」と、勉強会に参加をしてくれるようだ。


───10時15分。

俺は隣のクラスへ借りた物を返しに来た。

そのついでに勉強会の事を心音に話す。

「本多くんに霧島さん!?私、話した事ないけど大丈夫かな。」

「お前も含めてみんな友達だ、交流会って受け取り方でもいいんだが、来てくれないか?」

心音は少し悩む。

だが、今日は予定がないって事で承知してくれた。

後は霧島、掃除の時間に保健室に行くのだから、その時に言おう。


───12時50分。

俺は前回ここでちょっとした興味で聞いたからあんな事になった。

だから、聞かない。もう答えもわかってる。聞く必要はないんだ。

「俺の親父、元軍人でさ。護身用にって強めのスタンガンまでよこしてて。過保護かっての」

こんな会話、そういえばしてたな。

1回あんな事があっただけで結構忘れるもんなんだな、と思った。


───13時25分。

掃除の時間、やはりいつも通りにしていたら怪我をした。

霧島に連れられ保健室へ向かい2回目と同じよう担当に「大丈夫です」と、伝える。

手当を受けてる時、

「霧島……俺と付き合ってくれ。」

2回目の告白だ。

だが、勉強会に誘うには付き合うのが一番だと判断した。いきなり今日ほとんど初めて話すような奴が、家に勉強会で誘ったら可笑しい。

霧島は涙を流しながら「はい」と、返事をくれた。

「そこで何だが霧島。今日、友達と勉強会をする事になっててさ。」

「そうなんですか。では、そ、の。で、デートはまた今度。」

シュンと暗くなる霧島。正直、すげぇ可愛い。もう一回見たい。だが、目的はそうではない。

「その勉強会、よければ霧島も来ないか?」

霧島はパァっと顔が晴れ満面の笑みだが、少し抑えて

「わ、私もいいんですか?その友達もいるんですよね。」

可愛すぎる。何なのこの子、今すぐ誰かに自慢したい、これ俺の彼女って。

いや、また目的がズレかけてしまった。

「あぁ、霧島って頭良いしな!いてくれたらすげぇ助かる。今日呼んでる奴らも親友と中学の頃からの仲でさ、紹介も出来ると思ってるんだが───。」

「でしたら、是非!」

スゴイ食いつきだな……。


そして、俺らが教室へ戻ると倉西が早退したという報告が入った。

変化?もしかしたら午前中の行動の変化が何かを及ぼしたのかもな。


───17時45分。

俺は本多、心音、霧島を連れて帰宅する。

少しいい匂いがする。もう鈴は料理し始めてくれてるのか、本当に出来のいい妹だ。

自室に集まって、まずは俺以外の自己紹介をし合った。

その後、勉強会を始める。


───19時10分。

勉強会もかなり捗り一段落ついていた時、リビングから父が俺を呼ぶ。

「どうしたの?」

俺は父に声をかけながらリビングを見回すと、鈴の姿がない。

「あれ?鈴どこ?」

「それが、さっき買い物に出たっきり帰ってこないんだよ。」

嫌な予感がした。

「さっきって何時頃?」




「お前らが帰ってくる少し前だよ。そう、17時半くらいだ。」

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