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絶望都市 第4章「無限」  作者: Carmilla
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第3話 変化

───7時20分。

俺の今日はここから始まる。

前回の反復時は霧島(キリシマ) 雪柊(ユラギ)、俺が彼女と付き合う事により誘拐犯が現れた。

理由はわからない、ただ誘拐犯が現れるような変化を俺が起こしたのだろう。

ただ肝心なその変化がわからない。

彼女と付き合った事によってなら、彼女と誘拐犯に何らかの接点がある事になる。

俺が二限目のセットを借りに行かなかった、これが理由って可能性も出てしまうくらいにありえない話だ。

彼女と関係があったなら心音が標的にされる意味がわからないしな。彼女と誘拐犯。今考えても全くわからん。

俺は考えるのをやめ、父と鈴が家を出た後いつも通り学校へ向かう。


───9時15分。1限目。

細かい事に気を配る。何か少しでも変化があったら見逃してはいけない。

もしかしたら、その見落としが今回の事件に繋がるかもしれない。

そんな風に思い気を張っていたが、いつも通り眠りについた。

1限目はどうしても起きていられない。困ったもんだ。

倉西はクラスに完全に馴染んでる。

能力者ってのは別に普通の人間と大して変わらないのか?

あれ、そういやあいつ前回の時遅刻だったな。確か来たのは3限目くらいか?

やっぱりこの辺で前回の俺は何らかのアクションを起こしたのか。んー、わからん。


───12時50分。昼食。

やっぱり何も変わった事をした覚えはないな。そんな事を思っていると本多が来る。

まぁ、今日の予定通りだ。

だが、俺はふと思った。俺はこいつにどう思われてんだろう、と。

こいつにそれを聞くくらいじゃ大きな変化には繋がらないだろう。

俺はそう思い

「なぁ、本多。お前って俺のことどう思ってんだ?」

なんか恥ずかしい質問ではあるが、霧島に告白をした後だとそこまで難しい事ではなかった。

「は?なんだよ、いきなり」

と、笑って返してくる本多。答える気はないのか?そう思っていると本多が話し始める。

「俺はお前のことを親友だ。そう思ってるぜ。お前は気にしてないかもしんねぇけど、去年の冬の事覚えてるか?」

去年の冬?何かあったか?本多が話しかけてくるようになったのもその頃だったが、何かあっただろうか。

「クリスマスん時だよ、風船なくして泣いてる女の子見つけてさ。走り出したと思ったら風船買ってきてよ。そういう、困ってる人がいたらなりふり構わねぇとこ?俺はかっけぇと思ったんだよ。今でも俺の目標だ。」

そんな風に思われてたのか。正直予想以上だった。ホモだ、とかは冗談だからな?

本心はどう思われてんのか全然わかんなくて不安だった。なのに親友って、今にも泣きそうになる。

「なにか言えよ、小っ恥ずかしいだろ」

「あぁ、悪い」と返し色んなことを話してるうちに鐘が鳴る。

掃除の時間だ。


2人で屋上から降りると担任にポスター剥がしを頼まれる。本多と一緒に。

2人でポスターを剥がしていると俺は怪我をしなかった。2人で頼まれる事によって変化が起きてしまったのだ。

まずい。そう思い教室の方を見ると霧島と目が合う。

付き合う事は出来ないだろう。

だが、そのために出来ることはある。

「霧島……っ!」

俺は勇気を振り絞り霧島を呼ぶ。もう、神様は俺に何度勇気を出させる気だ。

「その……連絡先の交換…しないか?」

霧島は一瞬戸惑いはするものの連絡先を交換してくれた。

そして、別れ際に「その、頼りにさせてもらいます。」と、囁いていった、彼女なりの勇気だったのだろうか。


───16時32分。

帰りのHR。色々な報告があったがどれも最初と一緒、誘拐犯の発生はなかった。やっぱり引き金は俺と霧島の交際なのか?


───18時20分。

俺は心音と一緒に帰った後、本多に誘われてゲーセンにいる。

数分遊んでからだろうか。電話がかかってきた。

───霧島。

何の用だろう、「霧島からだ、ちょっと悪い」と、本多に言って電話に出る!

「助けて!助けて朝────。」

電話が切られる。助けて?一体何が、今度は何が起こるって言うんだ。俺はそんな不安を抱えてしまった。

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