第2話 『ハーレム生活のはじまりはじまり』
そして、いなくなった私はと言うと…。
「あの、逃げないんで外してくれません?この鎖。」
見知らぬ白い部屋に鎖で結ばれていた。
実はあのあと楓は気を失ってしまったのだ。
それで目を覚ますと、こんな状態。
そして、前には親になる山田さんではなく、可愛い系の男の子とやんちゃ系の男の子だ。
服装はどこかの民族の衣装で、とても日本人とは思えない。
「そう言いながら本当は逃げるんでしょ?だから、ダーメ♡」
可愛い系の男の子はそう言いながら、私にウインクをしてきた。
なにこの人ー、絶対に自分を可愛いとか思ってるでしょ。
強く可愛い系の男の子を睨む。
「てか、お前、叫ばへんのか?一応、連れ去られてはる状況やで。」
やんちゃ系の関西弁で話すの子はそう言いながら、見つめてきた。
今まで気にしていなかったが、やんちゃ系の男の子の目はオレンジ色だった。
さるみたいだ。
「おい!質問しているやないか!」
「え、あ、はい。そうですね。」
適当に答えている楓。
動物園にこいつがいたらと、想像している楓であった。
キーキー、うるさい所もまた、さるに似ている。
あ、そういえば結局引き取ったのはこの二人だから、この二人は私の親なんだ。
「こんな女もいるんやな…。」
そんな時だった。
――ガチャ
部屋に唯一あるドアがひらき、数人がこの部屋に入ってきた。
「「王子…!」」
王子と呼ばれた特に目立つ男はエメラルド色の瞳に金色の髪。
可愛い系の男の子とやんちゃ系の男の子もそうだが、二人よりもさらに美形の人だ。
しかも、驚きの事になんと兄そっくり!
兄が目の前にいるみたいだな…。
私はこんなに兄そっくりがいるというのに、相変わらずの間抜けずらだった。
「楓…。髪が長くなったな…。」
「え」
王子はしゃがみ、楓のあごをクイッ、と自分の目線に合わせる。
ドキドキしてしまうような近さで王子楓の髪にキス。
一瞬、時が止まったように思えた楓。
こんなのは初めてだから。
ちょっ…!
すると王子は立ち上がり…。
「ご苦労、二人共。早速ハーレムにいれておけ。」
「ハーレム?」
なんじゃそりゃ、という顔をする私。
すると、可愛い系の男の子が鎖を外す。
な、なんなんだ?過去に会ってたみたいな、しかもハーレムって何?
「僕の名前はルイル。今日からハーレムから出た時の護衛をするから宜しく!」
またまた、恒例のウインク。
私はウインクを避けようと、顔をふいっ、と傾ける。
私が鎖を外してもらい、立つ時には王子たちはいつの間にかに部屋からいなくなっていた。
よろしくされても困るんだけどな…。
「俺はサイルや。俺も護衛やからよろしくなっ!」
ニッ、と笑顔を見せるサイル。
楓の頭はやはりサルでいっぱい。
サイルって、名前までもサルじゃないか…。
そしてそして、私はそのまま二人に連れられ、大きな門の前へと連れてこられた。
大きな白い石の壁で囲まれていて、中はまったく見えない。
「あの、ハーレムとはなんですか?」
真験に質問をする楓。
すると、二人はえっ、と楓を向き、サイルはぷっ、と笑う。
そんなに常識的な物なのか?
「ハーレムは、えと、ものすごく簡単に言うと、王子の妃候補的な人が入る場所?、かな。」
楓は立ち止まり、固まる。
そして、楓は一旦、頭の中で簡単に整理をする。
妃候補…。
ハーレムは妃候補が入るんだ。
てことは…?
「いやいやいやいやいや、私、そんなのになった覚えないから。 」
くるりと後ろに回り、ハーレムの反対方向に歩く。
だが、両手とも二人に捕まれ、連れていかれる。
「王子の」
「言うことは」
「「絶対!」」
「めんどくさい…!」
私はそのまま二人にハーレム地獄(楓から言うと)に連れてかれてしまった。
登場人物プロフィール②
王子(名前不明)
・1997年11月22日生まれの、17歳。
・性格はミステリアスすぎてよくわからない。
・好きなものオムライス
2話目も読んでくださってありがとうございます!