第1話 『いきなりすぎなんですけども…』
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主人公のめんどくさがりっぷりはおかしいぐらいですが…、今後ともよろしくお願い致します!
「今日から一緒に過ごす事になりました、堂々 楓ちゃんです。皆仲良くしてあげてね!」
「「「「はーい!」」」」
ウザイ。
私は前まで堂々 楓だった、普通の6歳。
ミディアムで内巻きの黒い髪にグレーの瞳。
親と兄がいたが、三人共つい最近、事故で亡くなった。
ここは小さな児童養護施設。
ここにいる子たちはみんな親がいない。
だから今の私は堂々 楓ではなく、楓。
引き取られたら、名字はどうせ変わるから。
引き取られない場合もあるが。
「じゃあ楓ちゃん、皆と仲良くね。」
名前も知らない、正確には覚えていないお姉さんはニッコリと笑った。
めんどくさ……。
でも、嫌だよと言うとさらにめんどくさい事になると経験している私はとりあえずコクリ、とうなずいた。
すると、女の子二人が駆け寄って来る。
「ねーねー、楓ちゃん。りさちゃんお人形で遊ぼう!」
誰ですか?
名前もしならない人とは遊びたくないんですけど…。
嫌なオーラを満開に出しているが気づかない女の子二人。
仕方なく、声を出すことに…。
「私、遊びた…」
「新入りー、お前は後から入ってきたから僕たちの家来だぞ!」
だから、次から次へと誰…?
突然、こっちはこっちで話していたのにいきなり意味のわからない話をしてきた男の子を見る。
「そうだなー、まずは肩をもめ!」
「お姉さーん、誰かさんがいじめてきます。(棒読み)」
こう言うのは続行報告。
その方が一番手っ取り早いのだ。
はぁ、早く大人になりたいよ…。
“早く大人になりたい”それが今の私の唯一の願い。
もちろん、子供が嫌だし、子供だが子供扱いされるのが嫌だから。
そーんなこーんなで、10年が経った。
楓は16歳になったのだが、引き取りに来てくれる人は相変わらずいない。
「楓ちゃん、遊ぼう!」
「だから、あそば…」
「楓ー、水ー!」
昔にも似たような会話があったような…。
今だに遊べ遊べうるさい二人に上から目線で王様気取りのあいつ。
皆も私も全く変わらない。
ただ、私のめんどくさいは増えてきたかもしれない。
そんな時だった。
「楓ちゃん、ちょっと来てくれない?」
楓が孤児院に入った時からいる名前の覚えられないお姉さんが呼んでいた。
「え、嫌です。」と言う選択肢があるなら言いたいが、なにやら真剣そう。
「……わかりました。」
そして、私はお姉さんについてった。
怒られるようなことはしてないし、何だろうな…。
すると、お姉さんはひとつのドアの前で止まった。
トントン、とドアを叩きガチャ、とドアを開ける。
「あ、楓ちゃん。」
ドアを開けると、この孤児院の院長と優しそうな女の人と男の人が座っていた。
私はその人たちをみてすぐにわかった。
自分はこの人たちに引き取られると。
「この人たちは、山田由美子さんと山田かずきさん。これから貴方のお母さんとお父さんになるの!」
笑顔で院長は言う。
楓は母と父になる人をみると、二人は照れくさそうにしていた。
へー、それはそれは、私は18になったら家を出てくから。
でも一応、笑ってお辞儀をするゃん。」
「僕たちの事はママやパパでいいから。」
「はい!」
うへぇー、なんでそんなお子ちゃまが言うような言葉を言わなきゃならないんだ…。
16歳になった私は演技力を身に付
これから親になる二人が驚きの声をあげる。
しかも、その声はさっきの声とは二人共違う。
お母さんは可愛い声だけど男の子っぽい声、お父さんは関西人っぽい声。
「「今のは…?」」
お姉さんと院長は声を合わせて聞く。
すると、ふたりは…。
「す、すいません!」
いきなり楓の方に飛んできて、二人は楓の肩を掴み…。
「「★☆。」」
何語かわからない事を言うと、いきなり私たち三人はボワン、どこからか煙を出し、消える。
「楓ちゃん!?」
楓はどこにも見あたらなかった…。
登場人物プロフィール①
〝楓〟(主人公)
・1998年12月6日生まれの16歳(現在)
・性格はとにかくめんどくさがり屋。
・好きなものは可愛い人(年下に限る)
最後まで読んでくださってありがとうございました!