~そして、また~
テストだの文化祭だのいろいろあって
更新遅れましたm(--)m
申し訳ございません。
ネックレスが本物だった。使えた。
そして
あの噂が本当だったという驚き。
信じられなかった。
「後2回・・・」
1回、無駄だったような
そうではないようなことに
使ってしまった後悔。
でも、本物。
大丈夫、
後2回つかえる。
ゆいの死の真相に迫るのには
時間を操るのは1回だけでいいんだ。
そう自分に言い聞かせた。
★
「エリ、おはよう」
「おはよう」
「さっき」の会話みたいに
はじまった。
もちろん、ちゃんと終業式の準備をしてきた。
「今日終業式だね」
「ぅん、早かった。あーぁっ。通知表見たくないなぁ。
どうせ、エリは大丈夫だもんね。
学年5位以内に入る実力だし。」
「やめてよっ・・・」
本当に時間が戻っている事を改めて感じた。
「そういえば、エリ、そのピンクのネックレスどうしたの?」
「・・えっ、あ・・コレ?親戚から貰った。」
私ってうそつくのがうまいな、なんて一瞬思った。
「へぇ。かわぃぃね。どこで買ったのか聞いてよ、ぅちもほしいわ」
「ごめん、これ限定品だったみたいで・・・」
こんなにぺらぺら口から嘘がつける自分が
悲しいような、むなしいような気がした。
★
家に帰った後、
ネックレスをはずした。
「時間・・・ねぇ」
はやくゆいの死の真相を知りたい。
だけど、
知るにはまだ早い気がした。
「あさってになったら、戻してみようかな」
★
「チャラチャラン、チャラチャラン。」
携帯がさっきから鳴り止まない。
夜中の4時なのに、いったい誰から。
しかたなく、携帯をとった。
「・・・もしもし」
「エリ?!やっとでたっ!」
友達の未来からだった。
いうのを忘れていたけど、第一部から話していた人のうち、
1人は「未来」という子。
もう1人は、「ユリ」という子。
私は、私を含めた3人でいつも行動していた。
「どうしたの、未来・・・」
「あのね、落ち着いて聞いて。」
「ユリが死んだの」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
え・・・・・・・・・?
「今日、塾の帰りに。通り魔が・・・っ」
ュ・・・ユリが?
驚きのあまりに携帯を落としてしまった。
「ユリッ・・・・・!」
★
あの知らせを受けてから、約2時間。
私は、とある建物の中で
ユリとであった。
「12月25日の午後11:00頃、
塾の帰りに文具を買って店を出たところ、
40代後半の男性と思われる人に
ナイフで刺されました。
犯人はいまだ逃走中、われわれは行方を追っています。」
警察が事件の詳細を簡単に説明した。
ユリは、本当に死んでいた。
顔がいつものピンクに染まったほっぺたや
輝く目などどこにもなく、
ただ白く、青いユリがいた。
ユリとは、
中学校のときに知り合った未来よりもずっと前、
幼稚園のときからの長い付き合いだった。
だからこそ、信じられないし、
信じることはできなかった。
未来も同じくそこにいて
ただ何もいわず涙を流すだけだった。
★
「ユリ・・・・・」
どんなに泣いてもマダ足りないくらい
悲しい自分。
涙でぬれたクッションのカバーを洗濯に出すために
部屋を出ようとしたとき、
あのネックレスが目に留まった。
「・・・」
ゆいの死の真相を知るのは、
1回、時間を操るだけでいい。
つまり、あと1回は自分の好きなタイミングで
戻せる。
つまり・・・
(昨日の、午後10:30に戻って)
★
気がつくと私は、
12月25日、午後10:30の
ユリのかよう塾の前に立っていた。
「後30分・・・・・」
ユリが出てきたら、すぐ忠告して、
まっすぐ家に帰ってもらおう。
そう思ったとき、
一部の生徒が玄関から出てきた。
そして、そのあとから
ユリも。
「ユリ・・・」
死んだはずのユリが生きている。
・・・いや、言わなきゃいけない。
「ユリ」
「あれ、エリ。どうしたの?」
「あのさ、お願いだからまっすぐ家に帰って」
「えっ、なんで?」
「お願い。どうしても」
「なんでよ・・?私、文房具買わなきゃ・・・」
「ほんとにお願い。文房具はいつだって買えるの・・・」
「エリ?どうしたの?様子がおかしいよ?
・・・わかった、よくわからないけど
まっすぐ家に帰るね」
「・・・ありがとう」
なんともいえない安心感がよぎった。
そのときだった。
「っ!!!」
背中に激痛が走った。
・・・もしかして
朦朧とする意識の中で
時計を見た。
「PM11:00」
そういえば、ユリが殺された時間って・・・
そのまま力なく私は地面に倒れた。
ユリが悲鳴を上げた。
男は走って逃げていく。
ユリの悲鳴をきいた周りの人が
よってきた。
そうだよ、
分かってるのに何自分が殺されてるの・・・?
ユリの顔が
うっすらと見えて・・・
私はそのまま意識を失った。
最後に、
キラキラ光る、ピンクのネックレスが
うっすらと見えた。
~第4章へ続く~