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~あなたは噂を信じるか?~

「ねぇ、知ってる?」


この出来事は、

友人の話から始まった。


「12月24日の正午に、学校の屋上に行って

目をつぶってから願い事を3回となえると、

目を開けたときに首にネックレスがついていて、それで3回だけ

未来でも過去でも、

好きな時間を見れるって言う噂。」

「うっそでしょっ。ていうか、24日って明後日じゃん。」


 12月22日。寒い雪の降る季節。

「エリ、かなえたい願いがあるとかいってなかったっけ?」

「えっ・・・えっと・・・」

私(本名、新井田 絵梨華。あだ名、エリ。中学2年生)にはたしかに

かなえたい願いがあった。


・・・・・・その願いは、

まだ私の友達は知らない。

私は、1ヶ月前に時間を戻したい。

私の親友だった、ゆい(本名、竹井 優衣香)がなぜ

自殺をしてしまったのか、ということをどうしても知りたかった。

ちょうど一ヶ月前、ゆいは遺体となって見つかった。

死因は、首吊り―。

ゆいに限ってそんな事はないってずっと信じてた。

いつも笑っていて、楽しそうだった。

なのに突然、不可解な謎を残して自殺をして死んでいった

ゆいが、どうしても不思議に思えてしまう。なぜ、死んだのか。

 私には、もちろんわからない。

警察も、「自殺」として片付けた。

でも、ゆいは「遺書」を残さないで死んでいった。

だから、私はまだ謎であった。

ほんとうに、自殺・・・?

そんな考えが、まだ頭をよぎっている。


「・・・エリ?」

はっ。考えすぎていたようだった。

「ごめん、なんでもない。トイレ行ってくるね。」

そういって席を立つときに、かすかに友人の声が聞こえた。

「エリ、まだゆいの自殺について心を痛めてるのかな・・・?」

「かわいそうだよね。一番の親友が自殺しちゃって。ゆい、そんなに悩んでいる様子なんてなかったのにね。」

また、これ。

皆、ゆいが死んでから私に同情してくる。

正直、ウザイのが本音。

この1ヶ月、うちらのグループにおいで、とか

一緒に帰ろう、とかしょっちゅう聞いている。

私が、そんなに情けなく、かわいそうに見える?

世間で言う、「ありがためいわく」ってこういうことか。

なんて思っちゃったりするのも本音。


どうすれば、この「ありがためいわく」の輪からぬけれるだろう?



        ☆


12月24日。

私はなぜか、学校の屋上にいた。

やっぱり、友人のいう事がうそでも信じたいという事だろうか?

本当は、実際に起こることであろうか?

そんな考えが頭によぎっていて、

気づいたらここに、立っていた。

「あと3分・・・」

白い息を吐きながら、じっとそのときを待った。

「5、4、3、2・・・・」

どんどん時間が過ぎていく。

「1、0・・・!」

私は目を閉じて、願いを唱えた。

(ゆいの死の真相を知りたい!)

そう強く願って3回唱えた後、

友人の言ったとおり首元をみた。


・・・・・・・・・・・・・・・

何も、ない。


やっぱり、噂はうわさ。本当だと信じた私が馬鹿だった。


「寒いし、帰ろうっと。」


        ☆


「ただいま~」

帰ってきたときにはもう7時を回っていた。

あのあと、ゆっくり1人でそこらへんをぶらぶら回っていた。

「お帰り、体冷えてるだろうから、早くお風呂はいりなさいね。」

たしかに、私の体は冷え切っていた。

脱衣所に行き、服を置いてから

(やっぱり噂だったもんね、そんな時間が好きにやりとりできててたら人間苦労しないしな)

そんな考えながら脱衣所で上着を脱いだ私は、くび元に何かの違和感を感じた。

そっと洋服のすそを下げると、そこには

見覚えのない、

ピンク色の宝石の入ったネックレスがぶらさがっていた。


(これって・・・・・!)


友人が言っていた、

あのネックレスだろうか・・・?

私は上着をもう一度来て、

自分の部屋に駆け込んでいった。

  


                  ~第2章へ続く~

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