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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 エルフに嫁いだ弓使い しかし本当に愛する人が戻ってきた以上、抱きしめずにはいられない!

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第91話 夜が明けてようやく落ち着いた やはり魔界で見た魔物が何匹か出てきたのだが……!!

「ふう、ようやく落ち着いたか」


 明け方になり燻す煙も落ち着き、

 森から飛び出してくる巨大な昆虫も少なくなった、

 待っていれば出て来るが攻撃的な奴はあまりいない。


「ラスロ、そろそろ引き上げ時か」

「ああヨラン、少し前にエミリが打ち上げたのが最後だったな?」

「ええラスロ、アリナ様からお預かりした光魔石はもう使い切ったわ」


 それにしてもやはり魔界と繋がっていたようで、

 あっちで見た巨大モスキートやら毒アゲハやらも出てきた、

 そこまでの大群では無かったので普通に倒せたが、森の中で闘ってたら危なかっただろう。


「ラスロ様、やはりダンジョンまで行った方が」

「そうなんだがロズリ、やはり準備が必要だし日数もかかる、

 森の案内人でも居れば良いが、魔物だらけのここだとさすがに……」


 ガサガサガサッッ!!


「そこっ!!」


 森から出てきた何かに、

 ナタリが短剣を投げる!


 ガインッ!!


 それを払いのける木の枝!

 って、枝が動いた?! しかも強い!

 出て来たのは良く見ると樹、いやこの魔物は……!!


「ラスロ! ラスロジャナイカ!!」

「おま、な、なんでこんなところに!!」

「フセギキレナカッタ、スマナイ、アイツノセイダ」


 喋る樹に唖然とするみんな、

 いやここは最低限の説明はしないと。


「ええっと、俺が魔界で少し世話になった『ディープドリアード』だ、

 その、なんというか、顔見知りだ、そこそこ、まあまあ世話になった」

「イエヲタテテヤッタ、マダアソコニ、ナルガ ヤ アスト ガ」「ちょーーーっと話がある」


 俺はあえて一緒に森の中へ、

 おっ、仲間も何匹も居るな十体以上!

 出来るだけ外に漏れないよう、漏れても誤魔化せるように会話する。


「一体どうなっているんだ」

「イビルフライズ ガ マオウニナロウト シテイル」

「それで魔界とこっちを繋げたのか」「コッチハナ」「じゃあもう片方は」「ソッチハ……」


 会話している間の警備を他のドリアードがしっかりしてくれているが、

 やはり心配なのかヨラン達も構えている、周囲に、そしてドリアード達に。


「……わかった、それでお前たちはどうするんだ」

「トリアエズ、ヨウスヲミル、アレナラシバラクハ、デテコレナイダロウ」

「お前たちは」「ヒカリマホウナラ、タイセイガアル、フツウニカエレル、クルカ?」


 いや、さすがにそれは。


「ちょっと打ち合わせしてくるが、多分行かない」「ソウカ」


 一旦ヨラン達の所へと戻る。


「ラスロ、何やら状況を聞いてきたようだが」

「ああ、やはり新魔王だ、ハエ系の魔物で魔界ゲートをこじ開けたらしい」

「それでなのか」「ただ、まだ力が弱いから大規模な侵略はして来れないし、彼らも防いでくれていたようだ」


 と、森から並んで見ているドリアード達に目をやる。


「……危険は無いのだな」「ああ仲間だ」

「他にも魔界で仲間が居たようだが」「……とりあえずここは彼らに任そう」

「安心できるのか」「光魔法の封印に加え、あいつらが居るんだ……そうだ!」


 再びドリアード達の所へ。


「人間が使ってて放棄した、ちょっとした村みたいな場所がある、

 今は大きい昆虫が巣食っているが、なんとかならないか、出来ればそこに住んで欲しいが」

「オヤスイゴヨウダ、タダ、ニンゲンニコウゲキサレナイヨウタノム」「ああ、言っておく」


 こうして俺たちは、

 大森林の周囲を戻るのだが…… 

 馬車に戻って走り出すとドリアード達もついてくる。


「なんだあの速さは!」

「安心しろヨラン、あれが奴らの通常運転だ」


 いやほんと、

 敵で無くて良かった。


「……十九体ですか」

「ナタリ、数えるのが早いな」

「ねえラスロ」「どうしたエミリ」


 俺の頬にそっと手をやる。


「ナルガ、アストって、だあれ?!」


 一番触れられたくない所きたああああああああ!!!


「ま、まあ、魔界で会った魔物だ、これも味方だな」

「……ねえラスロ、私の記憶だと魔物にも女性型が」

「そんなことよりあのドリアード、樹の幹を足にしてほんと速いな、五足、いや六足歩行か」


 ほんっとエミリは勘が良い。

 と、森方向の窓際に座るロズリが声をあげる!


「クレイジーベアーです!」


 魔物では無いが凶暴な熊だ、

 森から出て来るのは珍しい、

 と思ったらこれまたドリアードが腕一本、いや幹一本で森へ弾き返した!


(さすがは頼もしい我が兵隊……いや、魔界での事はもう昔話だ)


 そうこうしてると森の入口、

 作業員の詰所に到着した、うん、

 朝になってよくわかる、人の建物が完全に昆虫の巣になっている。


「ではみんな、頼む」「オウヨ」「「「「「「オオーーー!!!!!」」」」」


 ……さてさて、

 この場はこいつらに任せるとして……

 言い訳は、どうしようか。


(いや、後ろめたい事は無い……はずっ!!)

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