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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 エルフに嫁いだ弓使い しかし本当に愛する人が戻ってきた以上、抱きしめずにはいられない!

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第85話 朝からの説明会 しかし俺はいつ打ち明けるか、それとも打ち明けないかを考えていた

「ということでだ、周囲の三つの村は虫の被害が酷く、森の入口にあった集落は放棄され……」


 朝食ついでに街に居る偉い騎士団員から話を聞く、

 ヨランもロズリもそれなりの知り合いらしいおじさん、

 図解までして現状を教えてくれているが、まあ前回の魔界ゲート仮封印と似たような状況だ。


(相手が魔物から昆虫になったくらい、いやその昆虫も魔物のせいって可能性もあるのか)


 みんな真面目に聞いている、

 馬車運転のリンダディアさんもメモまで取って、

 俺もリーダーとして色々と憶えなきゃならないはずだが……


(昨夜の話が、頭から離れねえ)


 いやエミリ抜きでこれ以上考えても、

 というのはわかっているはずだが……

 エミリにあの話をいつどこでするかというタイミングだ。


「ということでだ、虫の発生源がダンジョンなのは有力なのだが、

 普通の昆虫がそこから湧いて出ているのであれば、何か原因が……」


 流し聞きでも何とかなりそうな話だな、

 よし、エミリについて考えよう、もしもだ、

 あのハルラという夫がエミリを本当は愛していなかったとしたら。


(俺の所へ戻りたいエミリとしては、好都合か)


 しかしエミリがそれを見抜けなかったのか?!

 俺が死んだとなってショックを受けていたのであれば、

 騙されていたとしても仕方が無いのか、そんなに洞察力無かったっけ?


(いや、もしそうなら一緒に過ごしていて、わかったはず)


 わかったうえで愛し合っていた……?

 エミリの方が吹っ切れてハルラを好きになっていたとしたら、

 騙されているとわかっていても、一緒に居たかったのかも知れない。


「はい、やはり今のこのメンバーですと、私の煙幕が有効かと」


 ナタリが意見している、

 とりあえず燻す作戦か、

 魔法を使わないならそれでいい。


(それよりもだ)


 エミリが、ハルラが実は愛していなくて、

 エルフの利益だけを考えて人間側の弓使いを奪いたいだけだったとしたら、

 やはりショックを受けるのだろうか、その場合は胸くらい、いくらでも貸してやりたいが……


(そうなると、俺が気の利いた事を言わざるをえないだろう)


 俺がエミリと復縁するならいい、

 その場合は子供を一緒に、という事も前向きに考える、

 だが、もしもそこまでして、いざ正式な結婚という時に『捨てる』となれば……


「はやり風を読むのが重要になります、そこは私が」


 エミリが自信満々に言っている、

 昔から目が良い事もあって洞察力に優れていた、

 やはりそんなエミリが、いとも簡単に騙されていたりするのだろうか?


(だとしたら、ハルラは最初からエミリを本気で愛していたと……)


 そうなるとリンダディアさんの情報は、

 聞かせるのは余計かも知れない、いやもちろん、

 エミリの中では『終わった話』なのかも知れないが……


(打ち明けないと言う選択肢も十分にある、少なくとも今は)


 ずっと言わないでおけば、

 リンダディアさんの方から勝手に言うという事もないだろう、

 言う言わないの選択権は俺にある。


「もし魔物が関係しているのであれば、この『聖剣』が反応するはずです」


 ヨランがわざわざ剣を掲げている、

 いや抜きはしないが鞘に入っていても聖なる魔力を感じる、

 大量発生の昆虫が魔物産であれば、抜いたあの剣から逃げて行くはずだ。


(……エミリもいつまでも、子供達から逃げる訳にはいかないよな)


 いやそれは俺もだ、結論からは逃げられない、

 魔界ゲートの件が本当に片付いて真の平和が訪れた時、

 俺は嫌でも決断しなくてはいけない……新旧ハーレム、どっちを取るか。


「わかりました、ではその方法で私はラスロ様と」


 あっ、ロズリが何か俺の名を!

 聞いてなかったがまあ大丈夫だろう、

 視線が俺に来ているな、ここは話を合わせて……


「大丈夫だ、問題ない」


 みんなも頷いている、

 後で改めて仲間から聞かなきゃな。

 騎士団のお偉いさんがシメに入った。


「では報告を待たせて貰う、危なければすぐに戻って来てくれて構わない、

 それもまた調査だからな、特に我々は二度も勇者を失いたくはない、そこは頼む」

「ああ、任せてくれ」「ラスロがこう言うんだ、必ず成し遂げてくる」


 ヨランも被せるなぁ……

 朝食兼説明会が終わり、

 各自荷物を取りまとめて馬車へ、となるはずが……


「エミリ様」「はいナタリさん」

「ラスロ様が、お話があるそうです」


 えええっ?!


「わかりました、ラスロの部屋でいいのね?」

「お、おうっ、そんなに大した話ではないが」


 ナタリ、なんてことを!

 何となくケツを叩かれたような感じか、

 確かに馬車でするような話では無いよな。


(言うならここでって感じか)


 さて、どうしよう、そうするべきか。

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