第一章 登場人物おさらい 前編(ラスロ・アリナ・ヨラン編)
第一章 登場人物おさらい 前編(ラスロ・アリナ・ヨラン編)
【ラスロ】 主人公である勇者(三十六歳)
その命と引き換えに魔王を討伐し、
世界を平和にしたとされる伝説の勇者だが、
実際は魔王共々魔界へ落ちており、十二年かけて帰ってきた。
国王の命令でハーレムパーティーを結成し、
魔王討伐の旅に出て魔物の住む山奥まで追い詰めたものの、
山頂で魔王と揉みあった結果、一緒にマグマへ堕ち命を絶った、
ように思われたがマグマは実は魔王の作りだした幻影で、
それを目撃したハーレムパーティーには完全に死んだと思われ、
現にそれ以降、魔物も出現しなくなったため勇者ラスロは祀られた。
魔界に引きずり込んで来た魔王を討伐したものの、
元の世界に帰る方法を探して他の魔王も倒し続け、
残してきたハーレムパーティーが待っていると信じて疑わず孤軍奮闘。
そして十二年後、必死の思いでようやく魔界から脱出、
王都までなんとか辿り着いたものの、ハーレムはすでに崩壊しており、
正妻アリナは二度と出られぬ修道院に籠り、残りも家庭を築いていた。
ショックを受けているラスロへのフォローとして、
国王が新しいハーレムを急遽編成し婚約者とするも、
旧ハーレムはラスロ生還の報を聞き、全てを捨てて戻ってきてしまう。
かくして新ハーレムと旧ハーレムが集まる中、
ラスロは自分が作って出てきた魔界とのゲートから
魔物が出てきた事を知り、再封印のために、全部まとめたパーティーを結成したのだった。
魅力的な若い新ハーレムと、
昔の婚約者で変わらぬ(蘇った)想いを告げる旧ハーレム、
その間で揺れ動きつつも、ラスロは『ある秘密』を胸に、魔界封印のために動く。
全てが解決した時、ラスロの選ぶ道は、
旧ハーレムとの幸せな、本来得るはずだった幸せか、
新ハーレムと一緒に旧ハーレムを『ざまあ』するのか、それとも……?!
【アリナ】 旧ハーレムのメインヒロイン、聖者 美しい金髪
かつてラスロのパートナー、正妻となるべく婚約者だった女性、
賢者の上位クラスと言える聖者として光魔法、治癒魔法に長け、
魔王討伐の旅が終われば最上級の『聖女』となるはずであった。
しかし魔王と共にマグマへと落下したラスロに、
光魔法の縄を放出するもあと一歩の所で届かず、
自分の力が足りなかったせいでラスロを死なせたと後悔する。
その後、王都に戻っては責任を感じ『聖女』の称号を拒否、
ハーレムの正妻として生涯、ラスロの冥福を祈り続けるからと、
一度入ったら二度と出られないとされる、厳格なマベルス修道院へ籠ることに。
その際、城で残りのハーレムメンバーに『もう互いに連絡は取らない』こと、
そして『ラスロに懺悔し、想い続けるのは正妻である私ひとりだけで良い』とし、
残りの三人に『ラスロの分まで幸せになって欲しい』と、新しい相手を探すように促す。
そうして自身は北の果てにある厳しい修道院で過酷な修行を日々送りながら、
愛するラスロの冥福を祈り続けていたのだが、十二年経って突如、ラスロが尋ねてくる、
思わぬ生還に信じられなかったがその姿を見て本人だと確信し、会いたいと告げる。
しかし修道院の掟で相手は七日間、ひたすら待ち続ける必要があり、
その間に食料は出ず水も最初に用意された分のみ、結果、その日の夕方には帰ってしまう、
どうしても再会したいアリナは強硬手段に打って出て、修道院を破壊して王都へと向かったのだった。
そして城で旧ハーレムと再会し魔界封印のために出発する所でラスロとも再会、
十二年の時を得て崩壊したハーレムを再興しようと言い寄り、パーティーに加わり、
また昔のように愛し、全てが終わったら聖女の称号を改めて受け入れ、元通りのハーレムにしようと考えているのだが。
持っている光魔法は攻撃や防御に使えるだけでなく魔法使いネリィの協力により
封印魔法も出来るのだが、何せ十二年前の術式で止まっているため、魔力はけた違いであるものの
古いため、新ハーレムの賢者ミオスと魔女ハミィの協力により最新の強い封印を作れた、が、これもまだ不完全である。
【ヨラン】 旧ハーレムのサブヒロイン、伝説の剣士 長い銀髪(三十五歳)
かつてラスロのパートナー、側室となるべき婚約者だった女性、
元は王宮騎士団で若くして『剣聖に最も近い女剣士』と言われており、
ラスロとの魔王討伐が終わった際にはその称号を貰ったうえでラスロと結婚する予定だった。
しかしラスロがマグマに落ち、明らかに死んだとなったため茫然自失、
アリナの各自、ラスロの分も幸せになるようにという言葉を受けるものの、
しばらくは自宅で何も出来ない、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
あまりに生きた人形のような状況となったヨランに縁談が舞い込む、
それは西の果てにあるスタヴィック公爵領のジョルジール侯爵家からだった、
代々病弱な当主だったため、とにかく丈夫な子を産めて貴族と距離を取っている者を欲していたため。
もはや自我の無いと言えるヨランはそれを受け入れ嫁入りするものの、
その際の条件として唯一『もう二度と、剣は握らない』とラスロへの忠誠・愛情だけは残し、
十二年の間に四人もの男児を産み、侯爵夫人としての与えられた役割のみを全うし続けていた。
そこへかつての婚約者ラスロがまさかまさかの生還を果たした事を知らされ、
侯爵家も何もかも捨て、大急ぎでラスロの所へ戻り、十二年前に自分を戻し、
ラスロと再びハーレムを築こうと剣を握ったのだった、拒否した『剣聖』の称号も改めて手にするために。
王都では旧ハーレムと合流、魔物が再び出現し、その対処のために出かけるラスロとも再会、
共に旅立つがケジメと自分の位置(地位)をはっきりさせようと新ハーレムの剣士ロズリに決闘を申し込む、
だが十二年の月日は残酷で、かつて剣聖候補、伝説の剣士と呼ばれたヨランはあっさり負けてしまったのだった。
そうして魔界の仮封印を終え王都に帰還途中、長男の【ベルナル】が現れ戸惑うも、
母親の顔を見せながらもラスロには十二年前の自分の姿で接しようとする、ヨランの意思は揺るがない。
自ら連れ去られそうになりながらも王都に戻り、パレードにかこつけたラスロとの事実上の超簡易結婚式を挙げ、ご満悦である。
ちなみにその場所で花束を渡そうとしたベルナルの足下に隠れていた夫【モリス】は、
ヨランの今までに見た事の無い、本当に心の底から幸せそうな表情を初めて見た事により、
全てを察し、ヨランを諦め離縁の許可を出し、新たな『便利な侯爵夫人』を探す決意をしたのだった。
次は中編(エミリ、ネリィ、ミオス編)です。
後編後、第二章もまた毎日更新するかどうかは皆さんの応援によります、
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