表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/251

第77話 新ハーレムの恐ろしい企み 俺はその選択を選ぶのかどうか、そして旧ハーレムは……?!

「その前に……」


 新ハーレムの正妻予定、

 賢者ミオスが他の三人に目配せすると、

 頷いてまずアサシンのナタリが扉の方へ。


(廊下をチェックしているな)


 剣士ロズリは窓の外を確認、

 魔女ハミィは探知魔法か何かかな?

 そしてみんな戻って来た、大丈夫らしい。


「そんなに聞かれちゃまずい話か」

「そうですね、これでラスロ様も私達の仲間ですよ?」

「いや元から仲間だしパーティーだし」「婚約者、ハーレムですから」


 そう笑顔で俺に語るミオスだが、

 何だそう、目の奥が笑っていないというか、

 声の奥底に何かドスが効いたような気配を感じるというか。


(よっぽどの話なのだろう)


 俺は唾を呑み、

 覚悟を決めて尋ねる。


「いったい……何を企んでいるんだ」

「はい、一言で表現するならば『ざまぁ』ですね」

「な、なんだそれは」「NTR(寝取ら)れた事への復讐、とでも言いますか」


 他の三人も並んで頷いている、

 軽く立ったり深くだったり、皆、

 同じ情報を共有している感じだが……?!


「つまり、どういうことだ」

「事実として、ラスロ様は婚約者に裏切られました、

 いわばネトラレです、相手が神様なアリナ様も含めてです」


 このあたり、

 解釈によって色々と複雑なのだが。


「それでなぜミオス達が復讐を?」

「新しい正妻側室だからです、夫が傷ついたなら、

 その十倍は怒るのがお約束です」「お約束なのか」「お約束です!」


 俺の知らない十二年間でそんなお約束が出来ていたのか、

 いや、出来ていない、多分。


「怒ってどうするんだ」

「はい、持ち上げに持ち上げて、精いっぱい持ち上げておいてから、落っことすんです!」

「それはどうやって」「ラスロ様と正式に結婚出来ると、完全に思わせておいて、断るんです!!」


 ……それは、酷い。


「確かに現に、いまさっきのパレードでそんな状況になったな、

 アリナ達はもう、下手をすれば結婚式を正式に挙げた気でいる、

 いや、事実上こう結婚したと信じて疑わない、まであるな、あれだと」


 儀式的には正式認証されているようなものなんだっけ、国教的に。


「しかし陛下もおっしゃっていましたが、

 ラスロ様がそうと認めていなければ、まだ単なる婚約者です!」

「アリナ達がか」「はい、もちろん私達も、ではありますが……」


 そこは押さないんだ、

 あの理論だと新ハーレム、

 ミオス達だって俺と結婚したって言い張れそうなのに。


「それで何をどうすると」

「もちろん魔界完全封印、もしくは新魔王討伐にはアリナさん達は必要不可欠、

 それは十分にわかっていますし、私達はそれに最大限協力し、アリナさん達を敬います」


 これはハーレム関係なくする事だからな、

 国民の、いや、世界の平和は最優先って俺も言ったし。


「敬いつつ、罠でもかけるのか」

「罠と言うか、勘違いさせるのです、平和になれば、

 ラスロ様と昔のように、間の十二年などまるで無かったように愛し合える、と」


 もう十分、

 勘違いしていると思うのだが……

 いや、それは俺が決める事か、勘違いかどうかは。


「では旧ハーレムの四人を応援すると」

「それで最後の最後、いざ本当に結婚という所で、

 陛下に、認められた私達が、私達四人だけが結婚するという」


 うわあ、

 それって『上げて落とす』の、

 落とした先が奈落の底どころじゃないぞ。


「では今後、ミオス達は」

「はい、もうすでにそういう感じで接しておりますが」

「……聞かなかった事に出来ないか?」「無理ですね♪」


 他の三人も詰め寄ってくる。


「決闘で勝った時点で、ラスロ様はもうヨラン殿から取り上げました」

「この作戦を聞いてしまった以上、ラスロ様はもう『我々側』の人間ですから」

「ラスロお兄様、あの叔母さんの事ですから、捨てられても秒で、瞬時にまた切り替えますよぉ」


 うーーーーん……

 恐ろしい事を考えていたんだな、

 すっかり俺の所へ戻れると確認させておいて、最期の最期で捨てる、裏切る……


(そこまでさせたいくらい、新ハーレムは俺を愛しているというのか)


 とにかく俺は、

 魔界封じと同時にこのあたり、

 新旧ハーレムとの関係をじっくり決めていかなくてはいけない。


「ミオス、そんなに俺の事を」

「早いうちに、最初からアリナ様達に復縁を拒否していれば、

 このような手間は要らなかったと思うのですが、流れでこうなってしまいました」


 俺の首に腕を絡めてくるミオス、

 その表情で俺は確信した、これはもはや……悪女の部類だと。


「みんなも本当にそれで良いのか」

「はい、もちろん」「当然の結末ですね」「お兄さまは私達の計画通りに」

「つまり、俺は」「どっちにも気があるようにふるまい続ければ、これまで通りに」


 ふらふらしているのを、

 そう解釈していたのか新ハーレムは!

 もしくは、そういう事にしよう、結果的にしてしまおうと……


「あっ、誰か来ますねぇ」

「ハミィ、探知か」「ですぅ」

「ではラスロ様、今日はお城に泊まって下さい」


 急いで立ち上がるミオス達、

 四人揃って着替えてくるらしい、改めて俺の前へ並ぶ。


「ラスロ様、魔界の問題解決まで、私達はあくまでも『応援』している(てい)で行きます!」

「かといって全面的にラスロ様を、一時的とはいえ渡すつもりはありません、さすがにそれは不自然かと」

「このあたりの作戦は、ラスロ様には肌で感じていただければ」「お兄さまに意思はお伝えしましたぁ、くれぐれも秘密でぇ」


 そしてメイドがやってきたタイミングで、

 みんなそれぞれ俺に一礼して出て行った……。


(とんでもない話を聞いてきたぞ)


 部屋でひとり、

 いや呼びに来たメイドが入れ替わりで残ってくれているが、

 俺はソファーに座って腕を組み、考える。


(裏切った仕返しに、落っことす、かぁ)


 そのあたり、俺の選択は……?!


 コンコンッ


「ラスロ、着替えたわよ」「お、おう」


 入って来た旧ハーレム、

 最初にアリナが入ってきたが、

 それを抜くようにヨランが俺の目の前へ!


「ついさっき、たったいま、離縁の許可が出た!」


 そう言って抱きついてきたヨラン!


「そ、そうか」

「まだ手続きは残っているが、

 これで、これで……うううぅぅぅ」


 泣かれてしまった……!!


(俺は、俺は……どうすれば良いんだーーー!!!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ