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ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

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第71話 グレナダ公爵との朝食 そこで明かされたとんでもない展開に困惑する

「おはようラスロ、目覚めはいかが?」

「アリナおはよう、ああ、眠りはした、後は……察してくれ」


 起きたら両サイドから抱きつかれていた、なんて言えねえ、

 いやもちろん俺はぐっすりスヤスヤしてたから何もしてないぞ!

 あと何もされていないはず、抱きつかれていた以外は……おそらく。


「ってここグレナダ公爵家だよな?」

「はい、空いている使用人の部屋で眠らせていただきました」

「おいおい」「さあ、公爵様にご挨拶に行きましょう」


 ……廊下で寝るとかでないだけマシだが、

 あまり変な所で眠ると罪悪感が湧いてくるからやめて欲しい、

 いかに『自分で勝手にやったこと』だとか言われたりしても、だ。


(そして朝食なのだが……あれっ?!)


 新ハーレムは四人揃っているが、

 旧はアリナとヨランだけだ、あとふたりはどこへ……

 朝食の準備も余分にされていないから、おそらく来てないのだろう。


「いやはや本当に生きて戻って来たとは、さすがは『伝説の勇者』だけはあるな!」

「あっはい、ありがとうございます、グレナダ公爵」

「今度は『不死の勇者』の二つ名でも付けようではないか」「そんなもったいない」


 やべえどうしよう、

 グレナダ公爵当主なのは間違いないんだが、

 名前が出てこない、なんちゃら=グレナダは間違いないのだが。


「どうした勇者ラスロ殿」

「いえ、公爵の事は、どうお呼びすれば、と」

「なんだ、もう『お父さん』と呼んでくれるのか?!」「いやはやそれは、まだ」


 ええっと、資金提供を受けた時の書類に、

 確か名前がフルネームで書いてあったはず、

 思い出せ俺、でないと『不敬』もありうる相手だぞ、確か……


「それにしても陛下から話が来た時は、跳び上がって喜んだぞ」

「ええ、そんなにも、それほどまでにですか、公爵」

「当然だ、我が公爵家が勇者と血のつながりを持つのだ、これほど嬉しいことは、そうそう無い」


 伯が付く訳ね。

 それより名前を……あっそうだ!


「もし、もしミオスと子を儲けた場合ですが、

 公爵はどうやって名を付けられるのでしょうか」

「うむ、陛下に付けてもらおう」「えええ」「そのくらいの権利はあろう」


 これまたとんでもない伯が付くな、

 いや名付け方に話題を持って行って、

 なんとか公爵のフルネームを引き出そうとしたのだが。


(ずっとにこにこしているアリナがちょっと怖い)


 昔の婚約者(正妻予定)が、

 今の婚約者(正妻予定)の父と、

 将来の子供について話しているというのに。


(って俺が見ちゃったからか、アリナが手を止めて公爵の方を向いた!)


「失礼いたします、それでジェローム=グレナダ公爵」


 すげえ、名前を出してくれた!!


「なんだね聖女アリナ、いやまだ聖者であったか」

「はい、近々この今回の件が落ち着いたら国教の聖女に任命されるのですが」


 大丈夫かな破壊してきた宗教の方は、

 いや修道院を破壊してきただけであそこの宗教自体を消滅させてきた訳ではないが、多分。


「ほう、宗派替えか」

「はい、国王陛下が名前を付ける時は全て、私に任せると」

「ということは」「私が名付けることになりますね」「ほうほう」


 うっわあ、

 じゃあもし俺が新ハーレムを選んだとして、

 子供の名前を陛下に投げると、全てアリナが名付ける事になるのか。


(色んな感情がグチャグチャに入り混じりそうだ)


 ただ、『陛下に名前を授かる』という伯は恐ろしいくらい強い、

 これは断れないというか、とんでもない展開になるぞ、いやどうしよう、

 何が悪いって俺の知らないような、ある宗教の教徒だけがわかる隠しワードを名前にされたら……


(じつはこの名前、○○教では裏切り者を意味するんですよ!)


 とか、その子が成人されてからばらされたら歪むぞ絶対。


「お父様」「どうしたミオス」

「案は複数出して頂きましょう」「それは恐れ多いな」

「そして最低限、国教に沿った名前に……チェックは私がします!」


 ミオスもミオスでとんでもないこと言うな、

 陛下から名前を賜わったらまず断れないのだが、

 ならば沢山出して貰って問題ないかチェックしてから貰おうとか。


(それこそ不敬の部類に……いや、しかし名前は大切だ)


 公爵のフルネームもわかったし、

 ここはこの話を終わりにしよう。


「実はこの私、ラスロがすでに決めております」

「なんと」「まあ」「それは嬉しいですわ!!」

「しかしこういうのは子が産まれるまで心に秘めておきます」


 まったく考えてないけど、

 この場を納めるには良いだろ。


「ラスロ、確認のために私にだけは先に教えて」

「ラスロ様、一応余計な意味が含まれないか私が調べますので先に」

「いや、俺が信頼出来る筋にだな」「「その筋とは」」


 ……知らないよ、

 まあ老聖女ハンナさんくらいしかアテは無いから、

 追い詰められたら名前を借りよう、後で辻褄合わせもして。


(ここは公爵を見て逃げよう)


 表情で感じ取ってか、

 咳払いをして話しはじめたジェローム=グレナダ公爵。


「よしわかった、では今日のパレード、とても楽しみにしている」

「は、はい、ごく普通のパレードではありますが」

「勇者ラスロ殿の服はすでに用意してある、楽しみにしているが良い」「えっ」


 ……まあ、多少着飾る程度……だよな?!

 この後パレードで、それこそとんでもない展開とか、

 待ち受けてなければ良いのだが……公爵もアリナもミオスも、謎の笑顔が、怖い。


「それでヨラン、結局のところエミリとネリィは」

「城だ、いわば『(おとり)』だな」「誰の」「まあ色々だ」

「いったいどういう」「細かい説明が必要ならば、パレード後に」


 いったい、どんなパレードになるのやら。

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