表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーレム崩壊、十二年後  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 伝説の女剣士のやり直し 錆びついた剣と言われても愛で研ぎ澄ますのみ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/159

第66話 突然のデートは新ハーレムと しかし旧ハーレムの影が目の前にちらちらと。

「さあラスロ様、最初はどこへ行きましょうか」


 城の外へ連れ出された昼下がり、

 ミオスに引っ張り出されて王都の城下町をデートである、

 一応は四人程度の衛兵も離れてついてきているが、やはり周囲には……


「ラスロ様、まずは剣でも見に行きましょうか」「いやロズリ、武器は特に」

「服を見ましょう、十二年間で流行も随分、変わっているかと」「ナタリ、そんな私服にこだわりは」

「お兄さま、魔導具市へ行きましょう、勝手にパンを焼いてくれるものなどが」「ハミィ、そんな腕に絡まなくても」


 いやこれデートというより連れ回しだな、

 若い女の子に強引にっていうのは嫌じゃないが、

 十二年前はどうだったっけ、後で思い出そう、今夜にでも。


(あっ、この店まだあったのか)


 まずは雑貨屋へ、

 軽いアクセサリーに小さな魔道具、

 奥には服もあるな、帽子や下着も男女両方……


(ってハミィは勝手に物色しているし!)


 確か二階には万人向けの武器防具もあったはず、

 冒険者用というよりは護身用の、平和になっても荒っぽい動物は出るからね、

 あと普通に対人ということも……あとはそうそう、窓際に軽い喫茶店もある、あれこそ十二年前と同じだ。


(あれ? 見知った顔の少年が座ってて……こっちに気付いて立ち上がった!)


 そして僕らの方へ、

 うん間違いない、ベルナルくんだ、

 お付きの私兵も来たが後ろめたいのか少し距離を取っている。


「申し訳ありません、ご迷惑をおかけしました」


 深々と礼、

 謝るのはベルナルくんじゃない気はするんだが。


「あれはびっくりしたよ、それでヨランは」

「怒って会っていただけません、少し時間を」

「いや、あれは悪手だったな、誰のせいか知らないが」


 と、あえて私兵の方を見てやる。


「ラスロ様」「お、おうミオス、ところでお金は」

「私が預かっていますよ、何でも買えます、数さえ控えれば」

「えっ、じゃあ全員分のお揃いのアクセサリーとか」「それなら喜んで!」


 坊ちゃんに手を振って買い物へ、

 ハミィが良い物を見つけたので何かと思ったら、

 魔道具ではなく指輪だった、まあこんな所で売ってるからあくまでファション用だ。


「これなんか良いですねぇ」

「ハミィ、かなり質素な感じの指輪だが」

「魔法付与には丁度良いです、ミオスお姉さまと一緒にぃ」


 今度はお姉さまと来たか、

 俺の知らない間でハーレムメンバー同士、

 色々とあるんだろうな、まあいずれ呼び方も固まるだろう。


「まあ値段も安いし……よな、十二年でそんなに変わってないよな?」

「はい、そんなには! 早速買って参ります、五つで良いですよね?」

「まあな、あれだ、勝手にサイズが合う魔法がかけられているやつだよな」


 ミオスが嬉々として買いに行った、

 という感じで買い物を一通りして、

 次の店へ……途中でエルフの店があるな、あっちも喫茶店併設か。


(エルフ、ハーフエルフ、エルフ好きの人間の店だ)


 あれっ、そこから出てきた子供のエルフ、

 姉と弟……お城の服を着た女性エルフに連れられていて、

 俺たちを見るとまるで会わせないようにどっかへ誘導した。


(あの子ら、帰ってきた時にも馬車から見えたな、なんとなくエミリの雰囲気が……)


 ええっと次はどこへ行くんだ?


「ラスロ様、教会はどうでしょう」「ミオス、うーん、今はいいかな」

「では本格的な武器防具の店へ」「ロズリはそんなに見たいのか、ならつきあうが」

「あちらですがラスロ様、高級下着専門店が」「いやナタリ、俺に選ばせたいつもりか?」


 と、魔法使いハミィに近づくふたりの子供。


「ハミィお姉ちゃん」「お姉ちゃん見つけた!」

「あっ、イトコのアインとビアン、どうしたしたぁ?」

「お母様どこー?」「ママに会いに来たんだけども、どこかなー」


 あー、長女と長男かぁ。


「んー、どうしましょうか、宿はどうしています?」

「お母様のお父様の所です」「お姉ちゃんのママのパパんとこ~」

「あー、あそこですか、なら心配ないですねぇ、今はデート中ですので、後で顔を見せますねぇ」


 と、話を終わらせちゃった。


「お、おい、いいのか」「ささ、怪しい魔道具でも見に行きましょう」


 あーあ、

 なんだか置いてかれたみたいに佇んでいる、

 大丈夫かなあれ、まあ王都は治安がいいから大丈夫か。


(一気に旧ハーレムの影を感じ出したな)


 正確には、その子供たちの……

 このあたり、やはり俺もちゃんと向き合わないといけないのか?

 その前に、旧ハーレムそのものとも……うーーーむ。


「ラスロ様」「さあ行きましょう」「ラスロ様、喫茶店で休まれますか?」「さぁさぁさぁ」

「わ、わかったよ、行こう」


 ……子供に罪は無い気がするのだが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ